黄泉の穴と夜見神社|アヤトヒメが隠れた穴とは黄泉の国への入口?
出雲には黄泉の国に行ける場所がいくつかあります。ここ出雲市平田町口宇賀にその1つがあります。地元の方は冥途さんと呼んでいるらしいのですが。メイドさん・・・なんか萌える呼び方ですけど、実際はそんなに甘くないスポットでした!
さすがにGoogleマップに載っていない場所なだけあって、その参道はまさに登山道でした!まさに素人にはおススメできないスポット!神社好きな方というよりも、遺跡好き・登山好きの方にはおススメできそう。今回はそんな、軽い気持ちで行ってみたら怖かった黄泉の穴をご紹介します!
黄泉の穴への登山道
黄泉の穴の入口には住宅がたくさんあり、非常に軽い気持ちで入っていけます。この見た目だと、お手軽に参拝できそうに見えますが・・・
突如としてこのように寂しげな山道に突入します。この先に獣が下りてこないようにするためのフェンスがあり、スチール製の長い閂で塞がれています。写真を撮り忘れてしまいました・・・鍵などはありませんので、閂を降ろして入山します。もちろん下山するときは必ず閉めます。
そして次に険しい山道になっていきます。このポイントから黄泉の穴までは約150mくらいでしょうか。この先に進みたいなら、登山用の装いで入ることをお勧めします。装備品については下の方でまとめておきますね。
この先を登っていくと最後には手すりさえなくなり、まさに崖に張り付いて登っていくような感じになります。
登っていく事、およそ15分。黄泉の穴が出現します。
地面にぽっかりと空いた穴は、ほんとうに黄泉の国へとつながっているのでしょうか?
黄泉の穴の隣には夜見神社が鎮座しています。
黄泉の穴とは!?
この黄泉の穴にまつわる神話が出雲風土記に書かれています。そこには大国主命と綾門日女命(あやとひめ)のラブストーリーが関係しているのですが・・・近くにある宇賀神社の御由緒書きも併せてご紹介します。
宇賀神社の御由緒書き
大国主命は綾門日女命がどこへ身を隠されたのかと出雲大社を出て、彌山(みせん)~鰐淵山(わにぶちやま)~宇峠のあたりを訪ね伺われた。それで宇賀という地名になった。
このプロポーズされたら即答せずに隠れるというのは、古代の風習だったそうですが、現代の男性がされたらそれこそ落ち込んでしまうかもしれませんね。。。地元の人の伝承では最終的に綾門日女命が隠れていた場所こそ黄泉の穴だとされているようです。
しかし宇賀神社の御由緒から見える、綾門日女命のかくれんぼと大国主命が追いかけたルートを見ると、宇峠とは現在の鵜峠の位置であり、その近くにはもう一つの黄泉の穴、猪目洞窟があります。出雲風土記には黄泉の穴について、磯部にあると記述していますが、古代の地形はどうだったのでしょうか・・・
宇賀神社と綾門日女命について詳しくはこちらへどうぞ
本居宣長が見た黄泉の穴
この黄泉の穴については、江戸時代の歴史家、本居宣長が「出雲国なる黄泉の穴」として「玉勝間(たまかつま)」で紹介しています。
玉勝間の一説
~かの黄泉の穴は、此村の山に有也。海べより十八町のぼるところなり。かくて山はいとしも高からねど、道はいとけはしく
つまり、山の高さはそれほどではないが、相当険しい道だから、誰でも参拝できる場所ではないと、、、どうりで大変だった訳ですね!
黄泉の穴へのアクセス
Googleマップには載っていないスポットですので、上記のポイントを参考にどうぞ。駐車場もありませんが、入口の前を通る道路に一部広くなったエスケープゾーンがありますので、そこに路駐するしかなさそうです。
周辺には民家がありますので、ご迷惑とならないようにご注意ください。
黄泉の穴に行くときの装備品
登山にかかる時間はおよそ15分程度と短いですが、その道は割と厳しいです。下記のような装備品で臨みましょう。途中から手すりなどが無くなり、滑りやすい悪路となりますので、装備品には注意が必要です。
- 長ズボン・長袖の服
- ウィンドブレーカーなどの防寒雨具
- トレッキングシューズ(滑りにくいもの)
- ラジオ
野獣の登場もあり得ますので、ラジオなどの音がでるものを装備しておくと良いでしょう。
まとめ
大国主命のプロポーズを断ったあと、黄泉の穴に隠れた謎の姫、綾門日女命とはいったいどんな女性だったのか?この地方一体に語り継がれる黄泉の国の伝説とは?出雲大社の裏手側に広がる伝説は、縁結びという華やかなイメージとはうらはらですね。
この記事へのコメントはありません。