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【三種の神器】天皇の継承に必須の神器に隠された意味とは?

2019年5月1日はついに天皇即位の日。天皇が天皇になるにはどんな条件が必要でしょうか?政治的な役職ではありませんので、選挙や任命によって成るものではありませんよね。

天皇というお立場を継承するには第一に重要なのは血統です。

そして次に大事なことは三種の神器を継承する事なのです!

つまり、天皇が即位するためには三種の神器が必須!

それほど大事な意味を持った三種の神器とはいったい何なのでしょうか?

今回はこの三種の神器について解説致します!

 

 

三種の神器とは何?

  1. 八咫鏡(やたのかがみ)
  2. 八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
  3. 草薙剣(くさなぎのつるぎ)

よくここで昭和の三種の神器(テレビ・洗濯機・冷蔵庫)を言う人がいますが・・・もう平成生まれには意味が分かりませんよね(笑)

神代から受け継がれた三種の神器というのは神話に登場する重要なアイテム。神の時代から天皇がこれまで2679年間も守り抜いて来たもの。もうそれだけでどれだけ大事なのかは分かりますよね。もちろん相続税はかからない財産です。

どれだけ大事なのかを知るために、まずはそれぞれの神器のルーツについて解説します。

 

 

八咫鏡(やたのかがみ)

天照大神(あまてらす)が岩戸にお隠れになった大事件、岩戸隠れ神話で登場する神器。国譲りによって、地上を統治することになった天照大神は孫のニニギを地上に降臨させます。これを天孫降臨(てんそんこうりん)と呼び、八咫鏡はこの天孫に託されて地上に降りてきたとされています。

その天孫降臨の際、ニニギは天照大神から大事な使命を言い渡されます。

「この鏡を私だと思って毎日祀りなさい」

つまり毎日鏡に映る自分の姿を見て、私利私欲にまみれていないかを確かめるという事です。鏡を神だと思って見つめるということ、それは「カガミ」から「我」を取り除くと、神の姿に近づいていくという徳の積み方を表しているのでしょう。

この使命を宝鏡奉斎の神勅(ほうきょうほうさいのしんちょく)と呼びますが、天孫降臨依頼、現代の天皇までこの言いつけは守られているのです。

 

 

八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)

勾玉という神器も天照大神の岩戸隠れ神話に由来しています。岩戸にお隠れになった天照大神にお出ましいただくため、どんちゃん騒ぎのお祀りをします。そのお祀りを始めるための大事な神饌(つまりお供え)として作られたのです。

しかしこの勾玉という神器は何に使うものなのかがはっきりわかる書物が出ていません。神代から人の時代に移り、天皇が日本を統治するようになってからは、出雲大社宮司家が天皇即位のたびに勾玉をお納めしたと伝えられています。

勾玉には瑪瑙(めのう)や翡翠(ひすい)などが使われていますが、おしゃれのために貴重な材料を使ってアクセサリーを作ったという事ではないと思います。それを裏付ける伝承が出雲にはあります。

実はこの勾玉の独特な形と色は生命の誕生を表しているのです。この形は何かと言うと、

胚(胎児)

 

生物の時間に勉強しましたよね?あれ?忘れてしまいましたか?

ちょっとおさらいすると、人間は小さな卵の状態から生まれ、魚類、爬虫類、ほ乳類という進化をたった10か月で進化して生まれてきます。

このお母さんのおなかの中で進化している途中の状態である「胚」は他の生物と同じ形をしているのです。この胚の状態では人間も鳥も魚も爬虫類も同じ形をしているのです。つまり胚とは命の起源、命の象徴を表しています。

そして瑪瑙や翡翠のグリーンは木や草が芽吹く時の色。眩しいくらいに生じてくるグリーン。出雲の古い口伝では、出雲という地はこの新緑の輝きが素晴らしかったことから「出芽(いずめ)」と名付けられ、それがなまって出雲という地名になっていったのだと伝えられています。この説が本当だと須佐之男命が読んだ和歌が由来という説とぶつかってしまいますよね。。

話が逸れましたが、命の象徴である胚をかたどった勾玉は霊的な意味を持った神器なのでしょう。

 

 

草薙剣(くさなぎのつるぎ)

出雲では有名な八岐大蛇神話(やまたのおろちしんわ)に登場する霊剣。須佐之男命が八岐大蛇を退治した際、オロチのしっぽから飛び出したとされています。

その後、この件は天照大神に献上されました。そして天孫降臨の際にニニギに託され、地上に降ります。その後はヤマトタケルが国の平定に使い、さらに平家滅亡の際に壇ノ浦の戦いで瀬戸内海に沈んだとされています。

しかしこの時沈んだのがレプリカだったとか、本物は伊勢神宮にあったとか、色々な説が生まれています。何はともあれ、この天叢雲剣というのは国を作ってきた武力の象徴であり、古代出雲国の大事な神宝であったことは間違いありません。

出雲の国譲り以降、天皇家を始めとした大和王権が出雲の事を忘れまいと大事にしてきたのでしょうか。

 

 

現在の三種の神器の所在

  1. 八咫鏡・・・伊勢神宮の内宮
  2. 八尺瓊勾玉・・・皇居
  3. 草薙剣・・・熱田神宮

現在日本の公式見解ではこの3か所に実物があるとされています。皇居には八咫鏡と草薙剣のレプリカがあり、実物の勾玉と合わせて3つそろえられているとのこと。

2つの神器が伊勢と熱田に分けて保管されている事も、色々と言われはありますがまた別の記事に書きますね。

 

 

まとめ

天照大神からの神勅にある鏡は大和の象徴、出雲国から継承してきた剣、命の象徴である勾玉、これら三種の神器を継承してこそ天皇として即位できるのです。

いつの時代も天皇陛下はこの三種の神器を大事に守り抜いて来られました。三種の神器を持つ者こそが天皇であり、変わらぬ血統の天皇が統治する事こそが日本という国が変わらず続いている証明になるのです。

三種の神器とはそれだけ重要な物ですが、学校では習いませんね。天皇即位の日には、皆んなが改めて学べるいい機会になりそうです。

最後まで読んでくださってありがとうございます!

皆様に良いご縁が結ばれますように!

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