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須佐神社|スサノオの最期の場所として名高い神社

出雲大社から南方へ25㎞走った場所に須佐之男命の終焉の地として名高い「須佐神社」があります。

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出雲大社と同じ大社造り。

思わず見上げてしまうほど高い神殿に、只ならぬ気迫を感じます。

神社の御由緒には

「須佐之男命の終焉の地」

とされており、この根拠は出雲風土記に見る事ができます。

出雲風土記に

「この国は私の御魂を鎮め置くのにふさわしい」

と須佐之男命が仰ったとあります。

この神社がある地域一帯も須佐之男命のお名前にちなんだ「佐田町」と言います。古代には「大須佐田」と「小須佐田」という地名だったのですが、長い年月の末に名前が省略されたのでしょうか?

須佐神社のご祭神

  • 須佐之男命(すさのをのみこと)
  • 稲田比売命(いなたひめのみこと)
  • 足摩槌命(あしなづちのみこと)
  • 手摩槌命(てなづちのみこと)

つまりスサノオ夫婦と奥さんのご両親という構成ですね。

須佐神社の境内末社

  • 天照社

「上の御前さん」または「上社」と呼び、天照大御神を祀っています。

  • 三穂社

「下の御前さん」または「下社」と呼び、三穂津姫と事代主を祀っています。

いわゆるエビス社というところでしょうか。

  • 稲荷社

稲倉魂命(うかのみたまのみこと)を祀っています。

須佐之男命の御子ですね。

  • 東末社と西末社

天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)

天穂日命(あめのほひのみこと)

天津彦根命(あまつひこねのみこと)

活津彦根命(いきつひこねのみこと)

熊野樟日命(くまのくすびのみこと)

市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)

田心姫命(たごりひめのみこと)

湍津姫命(たぎつひめのみこと)

以上八柱を祀っていますが、この神々は須佐之男命と天照大御神が誓約をされた際に誕生した神々です。

五柱の男神は天照大御神の持っていた「八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠」といういわゆるアクセサリーから誕生した神です。

三柱の女神は須佐之男命がヤマタノオロチ退治に使った「十拳剣(とつかのつるぎ)」から誕生しました。

この女神は後に「宗像三女神」と名付けられます。

この末社は天照社と須佐神社のご本殿の真ん中に位置しており、須佐之男命と天照大御神の関係性を表していると思われます。

また、境内末社とご本殿に祀られたご祭神を総称すると「スサノオ一家の御社」と言えます。

このことから須佐神社は

「全国のスサノオを祀る神社とは比べ物にならないほど尊い神社なのだ」

という自負があるように御由緒書きにも感じられます。

また、末社に祀られている天穂日命(あめのほひのみこと)は出雲大社宮司の祖先、湍津姫命(たぎつひめのみこと)は大国主命の妻としても有名です。

須佐神社の七不思議

  • 塩の井(しおのい)

須佐神社の境内には湧き水があります。

温泉と同じような薬用成分があり、自由に口を漱げるように柄杓が用意されています。

この湧き水の不思議なところは、稲佐の浜と地下でつながっていると云い伝えられ、日本海が満潮の時はこの湧き水の付近の地面に潮の花がふくのだと言います。

  • 神馬(しんめ)

かつてこの神社に奉納された馬は、必ず白馬に変わったのだと言います。

  • 相生の松

本殿の裏に1本の松に雄松と雌松の両肌を持った物があったが、現在は枯れて残っていないという。

  • 影無桜(かげなしさくら)

島根県の日本海沖合に「隠岐の島」があります。

昔その隠岐で田畑が実らず不作が続いた。すると村人の夢枕に「須佐大宮の桜が茂って、この隠岐へ影をさしているのが原因だ」と託宣があり、言う通りに須佐神社の桜の木を切ったところ、豊作になったという。

以後、この桜は大きくならずに今日に至っているのだという。

  • 星滑(ほしなめら)

神社の西方、中山の頂上近くになめらかな岩肌が見え、その中央に光るものがある。

これは星の光を映したものだと言い、大きく光ればその年は豊作で、小さくて光沢が無ければ不作であるという。

  • 雨壺(あまつぼ)

神社の西を流れる須佐川の下流、道路下の田の畔に大きな岩がある。この岩の穴をかき回すと神の怒りで暴風雨が起こり、洪水が出るという。

  • 落葉の槇(おちばのまき)

須佐之男命の妃姫である稲田姫が誕生山で御子を御産みになった時、産具を柏の葉で包み、それを松葉で縫って川に流され、それが流れ着いたところに繁茂して今日に至る。

今でも柏の葉の縁に松場で刺したような穴がある。

須佐之男命のご神紋といえば

二重亀甲蔓柏紋

(にじゅうきっこうつるかしわ)

ですが、この七不思議のうち「落葉の槇」が由来しているのでしょう。

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画像引用:須佐神社公式サイト

柏の葉というのは古代では食器代わりに使われ、食べ物を乗せる、あるいは神にささげる神饌を乗せたのです。

このことから柏の葉は食べ物の象徴、命の象徴であり、産具を御流しになったのも繁栄を願うまじない事だったのかもしれません。

須佐神社へのアクセス

公共交通機関でお越しの場合は、乗り換えが必要な上、最寄りのバス停からも3㎞あります。結局最後は3㎞歩くか、タクシーを使う事になります。

自動車でお越しになるのが最良の手段だと思います。

ちょっと大変な道のりですが、ミステリアスな雰囲気が漂う須佐神社にぜひお参りくださいね。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

皆様に良いご縁が結ばれますように!

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