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布須神社|ヤマタノオロチ退治後にスサノオが来たもう一つの布須?

ヤマタノオロチ伝説を追いかける旅。

次に訪れたのは布須神社!?あれ?

木次町でも同じ名前の神社がありましたよ!

 

延喜式という古い書物に「大原郡に布須社あり」と記載されていますが、実はこの大原郡、現在の雲南市の事ですので、前回参拝した木次町の布須神社も同じ雲南市。どちらも正当性を主張できる条件は整っています。。

 

またしても混乱を産んでしまいそうな神社ですが、どんな御由緒を持っているのか?早速ご紹介していきますね!

 

布須神社の御由緒

布須神社の名前由来として、神社の境内に由緒書きがあります。

八岐大蛇を退治された須佐之男命は稲田姫と共に須賀の地に宮造りされる以前に、当地でお宝を作り臥し給いしにより起こった名である

 

つまり、結婚後に住むことになるのは須我神社ですが、オロチを退治したすぐあと、ここにしばらく滞在していらっしゃった。そしてその時に何かお宝を作られたという事でしょう。

 

臥す(ふす)というのは色んな解釈ができますが、ここでは「籠る・潜む」という意味だと考えられます。「臥し給いし」というのは丁寧な言い方で「ひっそりとご滞在になった」と解釈すべきでしょう。

 

布須神社の社宝

その昔、神社が火災にあった時、井戸に宝物を投げ入れて全焼を免れたという言い伝えがあったそうです。その後、大正7年(1918年)に神社近くのフス池からお宝の痕跡が発見されたのです!

見つかった宝物とは、次の3つだったそうです。

  1. 金銅鞘に鍍金した直刀(メッキ処理した銅剣と鞘)の破片
  2. 古銅鏡が一面
  3. 猿田彦面が一面

発見されたフス池というのは現在でも神社駐車場の脇にあるそうですが、それらしいものが目に入りませんでした。また参拝する事があれば探してみたいと思います。

フス池の水は、スサノオが用いられた清水と言われ、古来より神事以外にこの水を使わないそうです。

 

謎の赤池とは!?

スサノオがヤマタノオロチを斬った剣。伝説では十束剣(とつかのつるぎ)です。

スサノオはまずオロチの頭を跳ね飛ばし、次に尻尾を斬った時に、中に埋もれていた天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)に当って、剣が欠けたとあります。

ヤマタノオロチ伝説ではここまでしか記述されていませんが、この布須神社より東へ1km行った場所に赤池という場所があったそうです。

この池は、スサノオが血の付いた剣を洗い流したという伝説があります。

現在ではこの池の存在は分からなくなっています。。

 

二つの布須神社の関係性

二つのフスはかなり離れた位置にあります。どちらもその背後の山を御室山と呼び、スサノオがお籠りになった山という意味が込められています。

しかし、今回ご紹介した加茂町にある布須神社は、ヤマタノオロチを封印した八本杉を通り過ぎて斐伊川下流の方にあります。

オロチを追いかけて斐伊川を下ってきて、八本杉にオロチを封印した後、この地へ来て剣を洗った。。。そして結婚の儀に必要な引き出物を作った!?

 

という足取りをたどっているのです。

 

布須神社の境内

本殿

須佐之男命(すさのおのみこと)

稲田姫命(いなたひめのみこと)

大山咋命(おおやまくいのみこと)

玉依姫命(たまよりひめのみこと)

別雷命(わけいかづちのみこと)

 

大社造りに出雲系の男千木、社殿は真東を向いています。

神紋は立ち葵でした。出雲では珍しい御神紋ですね。

 

立葵は上賀茂・下賀茂神社のエンブレム。

11世紀荘園制度の時代に京都の下賀茂神社に属していたとのこと。下賀茂にある糺の森(ただすのもり)にあやかってか、糺神社(ただすじんじゃ)という名前だったそうです。

大正時代に地元民の願いが叶い、元の布須神社に改称し、元に戻ったとのこと。地元民からの崇敬が篤いことが伺えます。

 

月表神社

月讀命(つくよみのみこと)

 

古事記ではスサノオの兄にあたる神様。ご登場からわずか数行でその足取りが消えてしまう、謎の神様として有名ですね。出雲でもお祀りされている神社はほんの数社です。

そしてこの摂社のお名前、月表とはいったいどんな意味があるのか・・・

 

金刀比羅神社

金山彦命(かなやまびこのみこと)

 

普通こんぴらさんと言えば大物主ですが、こちらでは製鉄の神様が祀られています。これも謎ですし、お社の下にさらに小さなお社が置いてあるのも謎。一体どんな意味があるのでしょうか・・・

 

布須神社へのアクセス

公共交通機関などは通っていませんのでマイカーかレンタカーでの移動となります。高速道路は最寄りの宍道インターを降りた後、約16分で到着します。

神社下に一台分の駐車場があります。また、近年の改修工事により本殿のある場所まで車で上がれるようになっています。

 

まとめ

ふたつの布須神社の存在に戸惑ったものの、それぞれが伝える由緒には食い違いというか、かぶらないように住み分けがなされていました。

木次の布須神社にはスサノオがお酒を醸したという伝説。加茂の布須神社にはオロチの血が付いた剣を洗い流し、引き出物の宝物を作ったという伝説。

この先のスサノオの足取りはいかに!?次回もご期待ください!

 

 

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