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和名佐神社|阿波からやってきたワナサヒコとは!?

松江市来待町に鎮座する和奈佐わなさ神社。天気が良い日に気ままにドライブしていて、引き込まれるように参拝。ところが調べてみると非常に深い謎に包まれているのでした。早速ご紹介していきましょう。

と意気込んで参道を登り始めると!階段の一段当たりの奥行が短い!!もはやカニ歩きで登っていくか、つま先立ちで登っていくかの二択。

そしてなぜか8段ごとに奥行の深い段が来る。。。
8段ごとに一息つける・・・と思ったら7段で休憩が来るポイントもあって、これは何かのリズム?さっそく意味深ななぞかけをされている気分です。

和奈佐神社の御祭神

和奈佐比古命わなさひこのみこと

和奈佐とはこの辺りの地名にもなっており、地名由来神としてのご神格が見受けられます。この地から南へ大東町潮には船林神社があり、阿波枳閇委奈佐比古命あわきへわなさひこのみことという名前で祀られている。

つまり阿波(徳島県)から来た神との意味があります。さらに和奈佐とは徳島県南部の古い呼び名との謂れもあり、いずれにしても徳島県南部とのつながりを感じられます。

出雲風土記の大原郡にはこのように記されています。

船岡山。阿波枳閇委奈佐比古命が曳いてきて据えられた船がこの山である。だから船岡という。

出雲風土記 大原郡

和奈佐神社の南にそびえる船岡山は、船をひっくり返したような形をしている事からこのような謂れになったのでしょうが、別の見方として海洋民であった南阿波の人が船で移動してきたことを示しているとも見受けられます。

和奈佐神社のご由緒

ご由緒書きもなく、神社の公式サイトも見つからない。神社庁のリストにも見つからない・・・と調べていると、どうやら明治期に来待神社に合祀されたとのこと。来待神社の祭神を調べなおすと、確かにワナサヒコが祀られていました!

来待神社|大神神社から来た神をお祀りする神社

合祀されたはずの神社が、なぜここに鎮座しているのか。それだけ地元の方の崇敬が篤いのでしょうか。さらに調べていくと詳しいサイトを発見。失礼ながら引用します。

由緒 不詳。和名佐比古命は阿波から黒曜石を求めて「森戸山」へ降り立ったと伝えられる。それゆえ、森戸大明神としての棟札も伝わるが、森戸大明神の祭神は天児屋命と伝承されている。また別伝によれば、当社の祭神は女神ともされている。『運陽誌』では、和名佐明神とされる。1908年(明治41)合祀。合祀されてはいるが、社殿修復、社務所建築などを行いながら、境外社として現在も和名佐地区に祀られている。・・・寛政12年(1800)の修復棟札が伝わる。現在、境内には総荒神、社日、金毘羅宮、八百万命神社が祀られている。」

松江の花図鑑 https://jinja.matsue-hana.com/jinja/wanasa.html

なるほど!合祀されたけれど、境外社として維持してきたのですね!そしてさらにワナサヒコは黒曜石を求めて来られたと。さらにさらに、コヤネと混同されている辺りは忌部氏との関係も伺えます。

忌部とは何ですか?神話に由来する祭祀集団

徳島の忌部といえばコヤネではなく、フトダマに仕えた忌部五神の天日鷲命あめのひわしのみことですよね。時代の移り変わりによって、祭神が混同されることは良くある話なのでスルーします。

和奈佐神社の境内

御本殿

社殿は春日造で、千木は男千木、ご神紋は丸?、方角は南を向いています。

八百万命神社

総荒神

謎の祠

金比羅宮

社日碑

和奈佐神社へのアクセス

JR来待駅から車でやく14分。神社には駐車場がありませんので、神社前の道路に路上駐車するか、参道に車を縦に駐車するしかありません。参道の両脇は川になっているので、車が落ちないようにご注意ください。

まとめ

阿波からやってきたワナサヒコ。その目的は果たして何だったのか。来待という場所は大三輪から神を勧請されるのを、村人が心待ちにしていたという事から名付けられた地名。阿波からの人も受け入れていたとは、人々を寄せ付ける魅力があるのでしょうか。確かに魅力的な神社が多い場所ですよね。次はワナサヒコを追って、船林神社へ行ってみようと思います。

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