大社と神宮の意味とは?神社の格付けの謎
出雲大社(いずもおおやしろ)とは、全国的に有名な呼び方でしょう。
島根県とか出雲市よりもずっとメジャーです。。
そんな全国的に崇敬を集める神社にはこの「大社」とついている。
最近ではそんな認識が広まっています。
また、一ノ宮、二ノ宮などの格付けも今となっては曖昧ですね。
今回はこの辺りの情報を整理してみたいと思います。
大社とは出雲大社だけだった
古代〜明治以降戦前までは、大社を名乗れるお社は出雲大社だけだったのです。
第二次世界大戦後は長野県の諏訪大社、奈良県の春日大社など、
現在では24社が大社を名乗っています。
国譲りを条件として建立された大社。
天皇が住むところと同じ格をもったお社を「大社」と呼びます。
第二次世界大戦後はルール無用の名乗り合戦状態。
こうなった原因は
「ご利益信仰」「ご利益主義」だと考えられます。
つまり、ありがたそうな名前を付ければ人が集まるから、という事でしょう。
その結果、本来の神社の意味が分からなくなってしまい、
「どれも一緒に見える」という事になったのでしょう。
また、そうなった理由や、神社側の主張というのは
「あえて言わない」のが日本人の美徳
という事もあり、より一層分からなくなってしまいました。
この「神道言挙げせず」というスタンスは、参拝者が「ある程度知っている状態」なら有効で、「さらなる学び」へといざなう事ができます。
しかし、神話や歴史を忘れた国民が多い今、神社の事は
「語っていかないと消えてしまう」
という危機に瀕しています。
神宮を名乗れるのは3社だけだった
大社と同じく「神宮」という格付けも同じような運命を辿っています。
第二次世界大戦以前は、「神宮」を名乗る事ができたのは、
伊勢神宮、鹿島神宮、香取神宮の3社だけでした。
神宮の名前の由来
神宮の「宮」は「みや」とも発音します。
この「みや」は「御屋」とも呼び、皇族が住む御屋敷という事に由来しているとの説があります。
つまり、神宮とは天皇や皇族がいらっしゃるところなのです。
神宮の設立の仕組み
そして当時は神宮の称号は「勅許」によって決定されていました。
勅許とは「勅令」によって「免許」を発行されることであり、
簡単に言えば「天皇陛下からの指示・命令」という事です。
祖先をお祀りする神社を建てるのですから、他人が口を出す事ではないのです。
勅許で決まるというのは、至極当然の理でしょう。
しかし!第二次大戦後、神社本庁が設立されると勅許はなくなりました。
そんな現在、神宮は25社に増えました。
内訳は次の通りです。
- 皇族の祖神をお祀りする神宮が6社
- 歴代天皇をお祀りする神宮が13社
- 三種の神器や他の神様をお祀りする神宮が6社
神宮を名乗るかどうかは、それぞれの神社が決める事ですが、さすがに神社本庁の許可が必要ではあるようです。。。
一ノ宮、二ノ宮などの社格
神社自体が一体いつから建てられるようになったのかは不明ですが、御由緒に書かれている事が本当ならば紀元前から存在している物もあります。
そんな状態が永く続くと、神社を中心としたコミュニティが形成されていったのでしょう。
一ノ宮などの格付けは「その町の一番すごい神社」という意味になるのでしょう。
そして、その定義はすごく曖昧です。
通説では、飛鳥時代~明治時代まで使われていた「令制国」という地方行政区分が基になっているといわれています。
つまり、令制国で分けられた国ごとに一ノ宮があったという事です。
また、10世紀に書かれた延喜式神名帳に記載された神社を一ノ宮としている事も多いです。
国ごとに民衆が「ありがたい」と思っている神社が社格が高くなり、行政区分が固まるとその地域の「ありがたい神社」をランキング形式で一ノ宮、二ノ宮としたのでしょう。
これは「大社」や「神宮」などと比べると、庶民的でわかりやすい区分です。
神社がどういうものか分からない、神社参拝ビギナーの方はぜひ一ノ宮にお参りする事をお勧めします。
初めて旅行した町でも、一ノ宮を探してお参りすると、自然とその町の事を理解できるような気がします。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
皆様に良いご縁が結ばれますように!
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