佐為神社|古代から遺跡を守る道の神様
鬱蒼とした森の中に鎮座する神様。鳥居を見ただけでお分かりいただけると思いますが、ちょっと怖い。
鳥居をくぐった先はそうでもないのでご安心を・・・!
うーん。。やっぱりちょっと怖い!?
お天気の悪い日に来ると、少し不安になるかもしれませんが、神社に流れる氣は安らぎそのもの。今回ご紹介する神社は松江市宍道町にある佐為神社(さいじんじゃ)です。
佐為神社のご祭神
猿田彦命(さるたひこのみこと)
この神様は道案内の神様として知られ、アマテラスの孫ニニギが天界から降臨された際、道案内をお務めになりました。その功績から、道の安全を守る神様となられました。
また、昔は疫病などの災いが町に蔓延すると、道祖神(どうそじん)にお祈りを捧げていたそうです。なぜなら災いは道を通って町に入ってくると考えられていたから。道祖神は特に道の分かれ道(交差点)に祀られ、町に災いが流れ込まないようにお祈りされていたのです。
道祖神は塞ノ神(さいのかみ)とも呼ばれ、さらに道祖神と猿田彦は同一視されるようになり、やがてサルタヒコも塞ノ神と呼ばれるようになったのです。
佐為神社の名はこの、サイノカミに由来しているのかもしれません。
佐為神社のご由緒
平安時代に編纂された出雲風土記には、狭井社との記載があり、少なくとも1300年近くの歴史がある事が分かります。江戸時代には才谷大明神や狭井二社明神などと呼ばれていたそうです。明神という表現は神様の中でも、特に霊験あらたかな神様に使う尊称。これを踏まえても、地元の方から篤い信仰を受けていた事は間違いありません。
佐為神社の御本殿
社殿は大社造り、千木は出雲系の男千木、御神紋は亀甲に剣花菱。社殿は真東を向いています。
塞ノ神として祀られていたのであれば、東からの侵入を守っていたのでしょうか?佐為神社の西には女夫岩遺跡(めおといわいせき)があり、ここは磐座がある古代のお祀りの場所。
神様を降ろすための神聖な場所を守るため、道の神をお祀りしたと考えると神秘的ですね。
佐為神社の境内社
佐為高守神社
金刀比羅神社
佐為神社へのアクセス
公共交通機関などは通っていませんので、マイカーかレンタカーでの移動をお勧めします。最寄りの宍道駅からは徒歩21分です。
まとめ
鎮守の森に一足踏み入れると、1300年前から鎮座する道の守りの神域に入ります。入り口がちょっと怖いのを我慢できれば、心地よい気を感じる事ができます。
それにしても道の神様サルタヒコが祀られ始めたころ、この辺りの道はどことつながっていたのでしょうか。現在では高速道路「山陰自動車道」が走っていて、道の神様を意識することがなくなってしまいました。たまには田舎道を走って、古代の人々がどのように歩いたのかを想像すると遥かな気持ちになれますよ。
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