【隠岐の島】出雲の北に浮かぶ楽園!隠岐への流罪はご褒美!?
島根県の沖合50kmに浮かぶ「隠岐の島」
イザナギ・イザナミが日本国土を生み出した「国生み神話」において、3番目に誕生した島です。
本州よりも先に産み落とされた隠岐の島
には謎がいっぱい!
画像引用:Wikipedia
西側の島を島前(どうぜん)
東側の島を島後(どうご)
と呼びます。
かつては後鳥羽天皇や後醍醐天皇が流された島。
しかし、この流罪というのも納得できない点が多いのです。隠岐の島を歩いていると…
隠岐へ流されるというのはご褒美!?
隠岐へ流されるというのはバカンス!?
と思えてくるのです。
その理由を語る前に、国生み神話をご紹介します。
国生み神話とは!?
古事記によると、私たちの住む日本は神様が生み出されたものなのです。
その時代はイザナギ・イザナミの時代。
男女の契りによって子供を成すという秘儀を行われたのです。
まず二柱の神は淤能碁呂(おのころしま)を作り、ここを拠点として次々に国土を生み出します。
最初に生まれた島は淡道之穗之狹別嶋(あわじのほのさわけのしま)とあり、これは淡路島だと考えられます。
次に生まれた島は生伊豫之二名嶋(いよのふたなのしま)とあり、これは四国の事だと考えられます。
そして次に、隱伎之三子嶋(おきのみつごのしま)が生まれました。
さらに、島の名を天之忍許呂別(あめのおしころわけ)と名付けています。
ちなみにこの後生まれた島は、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州と続き、ここまで生まれた8つの島を合わせて大八島国(おおやしまのくに)と古事記は名付けています。
ここで北海道が登場しない一方で、隠岐の島や対馬、壱岐などの小さな島が優先的に記述されている事は興味深いものです。
その中でも隠岐の島は生まれた順番が早いということと、【天之忍許呂別】という特別な名前をいただいています。
アメノ〜と付くのは高天ヶ原におわす神と同じ格を表していると思われます。
天皇が流されるのはなぜ!?
隠岐には天皇がいらっしゃるための条件が整っているからだと思われます。
その一例を挙げてみます。
(条件1)神社の数と位置
この小さな島の中に150社もの神社があります!
天照大神、須佐之男命、大国主命、天神、大山祇命など有名どころの神様はことごとくお祀らされています。
そればかりか、ユラヒメ、ワケノス、タマワカス、ミズワカスなど隠岐の島にしかその名を見ることのできない謎の神が多くいらっしゃるのです。
これらのお社は島の全方位を守護する位置に鎮座し、また街道それぞれを守護する位置に鎮座しているのです。
(条件2)食料自給率の高い島
全方位を日本海に囲まれ、海の幸は豊富に取れます。
島前には「イカ寄せの浜」なる場所があり、赤イカが産卵のために集まってくるので、なんとイカが手づかみで取れてしまうのです!
また、漁業だけでなく米などの農業もしっかりしており、海士町では米の自給率が100%を超えているそうです。
また、牛や馬などの家畜は放牧され、豊かに育ちます。
離島にいながら食材に困らない。
無理に島外の人とビジネスをする必要がないのです。
(条件3)黒曜石が取れる
鉄器が作られるまで、黒曜石は狩猟採集生活を行うために必須の素材でした。
日本各地に黒曜石の産出地はありますが、矢じりなどに加工しやすい隠岐の黒曜石は重宝されたようです。
この黒曜石は日本各地から出土し、流通していた証拠となったばかりか、朝鮮やロシアにも輸出されていた事が明らかになっています。
(条件4)海運航路の要所
日本海を航行する上で、大事な船の就航ルートだったのです。
北前船なども隠岐の島を就航ルートとしていたようです。
島前の焼火山(たくひやま)は、山の上で明かりを灯し、灯台の機能を果たしていたそうです。
まとめ
これまで書いてきた条件をまとめると…
- 神の守護がある
- 食料が豊富
- 交易品がある
- 海路を抑えている
うーん。独立国家ですね。
これだけ安定した島は他にない。
だから、流刑とは言え天皇陛下が不自由なくお過ごしいただく場所としては完璧なのです。
まだまだある隠岐の謎
隠岐の島にはここでは語りつくせない逸話がまだまだあります。
神社のご紹介は別の記事で書きますが、代表的な謎だけを挙げてみましょう。
(その1)古代は出雲と陸続きだった
2万年前の氷河期には
出雲から歩いて行けたのです。
その後時間をかけて温暖化していき、現在の島の形となったのは1万1千年前だそうです。
陸続きだった頃の隠岐は正に、
島根半島の先端だったのです!
(その2)焼火山は人類創世記に誕生
この火山が活動したのは500万年前と伝わっています。
その頃、私たちの祖先人類が誕生したころ。
もしかして、もしかすると…
人類誕生もこの地から?
色々と妄想が膨らみますね。
(その3)日本から独立した!?
江戸時代末期には幕府と揉めた隠岐の人々。
もともと尊王攘夷派が多い島民性も後押しして、幕府の統治から離脱した時期がありました。
ここでは詳しく触れませんが、興味のある方は「隠岐騒動」で検索してみてください。
また、後醍醐天皇の倒幕を後押しし、時代を転換させた歴史もあります。
隠岐の人々は時代を変えるパワーを持っていますが、普段は外界に興味がなく、独自の自治を行なっている。
古事記の記述を気にしない宗教観を持っており、発掘調査をしていない遺跡が今も放置されています。
なんと魅力的でパワフルな島民!
今は島根県ですから、出雲味方で良かったと思う次第です。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
皆さまに良いご縁が結ばれますように!
この記事へのコメントはありません。