久具谷神社|美保関に住むヒキガエルの神様
美保神社の境外末社、久具谷神社。美保神社の裏山に位置したこの神社には観光者の姿は無く、神々しさを放っています。森の中にあって、このお社だけが光っていて、鳥居をくぐると思わず「お邪魔します」と口にしていました。
久具谷神社のご由緒
出雲の国譲り神話において、大国主神は御大岬を訪れます。すると海のかなたから天之羅摩船(ガガイモで作った船)に乗って来る神を発見します。大国主神はその神に名を訪ねるが答えません。周囲にいた神に聞いても誰も知りませんでした。
この時、多爾具久(ヒキガエル)の神が言いました。「久延毘古(かかしの神)なら知っているはずです」
かかしの久延毘古は言いました。「その神は神産巣日神の御子、少名毘古那神でいらっしゃいます」
大国主神が神産巣日神にお尋ねになると、「それは私の子である。私の手の指の間から生まれた子だ。おまえと兄弟になってその国を作り固めよ」と仰った。そして大国主神は少名毘古那神と共に、出雲の国を造られたのでした。
久具谷神社の御祭神
多邇具久命
國津荒魂神
国造り神話において、スクナビコナの登場シーンで助言した神、ヒキガエルのタニグクを祀っています。そう言えば美保神社の御本殿裏にもたくさんいました。ヒキガエル。
この山にはたくさんヒキガエルが生息しているのでしょうか。タニグクの語源は谷の中でグーグー泣いているからという事で、非常に愛らしい名前の付け方ですね。昔はどこでもその存在が見られた為か、地上の隅々を知り尽くした存在と考えられていた様です。
クニツアラミタマとはどなたの荒魂なのか分かりませんでした。オオクニタマならオオクニヌシと同神と言われていますが、クニツという音は国津神の事の様に聞こえます。そういう意味ならオオクニヌシも国津神なのでしょうが・・・
久具谷神社の境内
御本殿
社殿は春日造で千木は男千木、方角は南東を向いています。その方角には美保関漁港と客人社があります。客人社にはオオクニヌシが祀られており、今でもオオクニヌシに何かを語りかけているように感じます。
久具谷神社への参拝ルート
美保神社の境外末社です。車で直接アクセスはできず、美保神社の境内から歩いていくルートとなります。
美保神社の御霊石前の石段を上がり、右に折れて歩きます。
だんだんとワクワクコースになっていく気配。
完全に山道になってきます。スニーカーじゃないと歩けない道です。間違ってもヒールやサンダルで登らないようにしましょう。
山道を約10分歩くと、このような標識が見え、久具谷神社の前に出ます。どうやら佛谷寺の方からも歩いてこれる様ですが、その方角を向くとやはり山道でした。
まとめ
国造り神話に登場するヒキガエルの神様を祀る久具谷神社。写真では伝わりにくいのですが、お社が光って見え、参道の真ん中あたりで足が止まってしまいました。久しぶりに「息を吞む」体験をし、神様はいらっしゃるのだと感じました。そういえばパワーを感じた美保神社の本殿裏にある若宮社・秘社のちょうど裏手がこの久具谷神社です。パワーを感じた理由はこの久具谷神社だったのでしょうか・・・
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