1. HOME
  2. ブログ
  3. 久具谷神社|美保関に住むヒキガエルの神様

久具谷神社|美保関に住むヒキガエルの神様

美保神社の境外末社、久具谷くぐたに神社。美保神社の裏山に位置したこの神社には観光者の姿は無く、神々しさを放っています。森の中にあって、このお社だけが光っていて、鳥居をくぐると思わず「お邪魔します」と口にしていました。

久具谷神社のご由緒

出雲の国譲り神話において、大国主神おおくにぬしのかみ御大岬みほのみさきを訪れます。すると海のかなたから天之羅摩船あめのかがみのふね(ガガイモで作った船)に乗って来る神を発見します。大国主神はその神に名を訪ねるが答えません。周囲にいた神に聞いても誰も知りませんでした。

この時、多爾具久たにぐく(ヒキガエル)の神が言いました。「久延毘古くえびこ(かかしの神)なら知っているはずです」

かかしの久延毘古は言いました。「その神は神産巣日神かみむすびのかみの御子、少名毘古那神すくなびこなのかみでいらっしゃいます」

大国主神が神産巣日神にお尋ねになると、「それは私の子である。私の手の指の間から生まれた子だ。おまえと兄弟になってその国を作り固めよ」と仰った。そして大国主神は少名毘古那神と共に、出雲の国を造られたのでした。

久具谷神社の御祭神

多邇具久命たにぐくのみこと
國津荒魂神くにつあらみたまのかみ

国造り神話において、スクナビコナの登場シーンで助言した神、ヒキガエルのタニグクを祀っています。そう言えば美保神社の御本殿裏にもたくさんいました。ヒキガエル。

この山にはたくさんヒキガエルが生息しているのでしょうか。タニグクの語源は谷の中でグーグー泣いているからという事で、非常に愛らしい名前の付け方ですね。昔はどこでもその存在が見られた為か、地上の隅々を知り尽くした存在と考えられていた様です。

クニツアラミタマとはどなたの荒魂なのか分かりませんでした。オオクニタマならオオクニヌシと同神と言われていますが、クニツという音は国津神の事の様に聞こえます。そういう意味ならオオクニヌシも国津神なのでしょうが・・・

久具谷神社の境内

御本殿

社殿は春日造で千木は男千木、方角は南東を向いています。その方角には美保関漁港と客人社があります。客人社にはオオクニヌシが祀られており、今でもオオクニヌシに何かを語りかけているように感じます。

久具谷神社への参拝ルート

美保神社の境外末社です。車で直接アクセスはできず、美保神社の境内から歩いていくルートとなります。

美保神社の御霊石前の石段を上がり、右に折れて歩きます。

だんだんとワクワクコースになっていく気配。

完全に山道になってきます。スニーカーじゃないと歩けない道です。間違ってもヒールやサンダルで登らないようにしましょう。

山道を約10分歩くと、このような標識が見え、久具谷神社の前に出ます。どうやら佛谷寺の方からも歩いてこれる様ですが、その方角を向くとやはり山道でした。

まとめ

国造り神話に登場するヒキガエルの神様を祀る久具谷神社。写真では伝わりにくいのですが、お社が光って見え、参道の真ん中あたりで足が止まってしまいました。久しぶりに「息を吞む」体験をし、神様はいらっしゃるのだと感じました。そういえばパワーを感じた美保神社の本殿裏にある若宮社・秘社のちょうど裏手がこの久具谷神社です。パワーを感じた理由はこの久具谷神社だったのでしょうか・・・

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

初めての日本神話にオススメの本

神社に興味があるのに!
神社の御由緒書きを読んでも内容が分からない!

パワースポットとか大好きなのに
ネット検索するしか調べる術がない…

日本文化をもっと詳しく知りたい
と思ったら、神話にルーツがありそうだと分かった…

などと悩んでいる方!実は僕もそうだったんです!これからご紹介する本を読めば、神社に行くのがもっと楽しくなって、日本文化のルーツが分かります!

でも神話って読みにくい・・・そんな最初のハードルを越えやすい優秀な書籍です。
僕は今でも片手に読みながらブログを書いています。時には神社参拝に持っていく事も!
神社のいろはを勉強するならまずは読んで欲しい。。そんなお勧めの書籍たちをご紹介します!


古事記の入門書

皇室の旧宮家である、竹田恒泰先生の書籍。古事記には非常にたくさんの神様が出てきて、全部覚えようとすると挫折します。。実は古事記って再び登場する神はほとんどないんです。 この本は覚えた方がいい神様とそうではない神様を見分ける目印がついているというスグレモノ! さらに皇室側の視点で見た読解がすごく面白い!そして丁寧な解説!初めて古事記を読むなら、この本が絶対おすすめ!


日本書紀の入門書

神話や和歌が少ない日本書紀は、読み進めるのがつまらなくなりがち。だって日本書紀って年表を読んでいるような気になる記述なんです。 でもこの本なら漫画表記と文字表記がペアになっているという画期的な工夫がなされています! 文字だけ読みたい人にも、漫画だけ読みたい人にも一冊で対応可能!しかも、どっちを読んでもある程度内容がつかめてしまうという・・・初めて日本書紀読むなら絶対これ!


超高速で理解する古事記

note
超高速で理解する古事記|note

神様の名前を読む自信が無い!
神話を読む自信が無い!
そもそも本を1冊全部読めた試しがない!
だいたいどんな話なのか分かれば十分という方!
これなら超高速で古事記を理解し、10分あれば古事記の概要を理解し、天皇や神社について大雑把に理解できます。
時間のない方にもおすすめです!
読んでみる

神社参拝に便利な御朱印帳


出雲の神社を歩くなら!
御朱印帳を持参して思い出を残しましょう!
コロナ禍でも、神社参拝ならソーシャルディスタンスを保ってひっそりと楽しめる!日本人ならではの旅行を楽しみましょう!