キサカヒメ|𧏛貝比売・枳佐加比売命・潜戸大明神
キサカヒメ
古事記:𧏛貝比売
出雲国風土記:枳佐加比売
キサカヒメの特徴
蘇生の神・大神の母
キサカヒメの御神徳・御利益
病気平癒・安産守護・海上安全
キサカヒメの系譜
父:神魂
母:不明
姉妹:宇武賀比売
夫:麻須羅神
子:佐太大神(猿田彦)
キサカヒメにまつわる神話
オオクニヌシの命を助けた
古事記では𧏛貝比売という赤貝の化身する神の名前で登場。兄である八十神に命を狙われたオオクニヌシは、だまし討ちに合って焼石をぶつけられて命を落としてしまう。そこへカミムスビが遣わせたキサガイヒメが赤貝の殻を粉末にし、ウムガイヒメが蛤の白い汁で溶いた乳汁を塗ると、オオクニヌシの火傷は治り蘇生した。この神話から、キサガイヒメには病気平癒の御神徳があると考えられます。
佐太大神の誕生神話
出雲風土記によるとキサカヒメが御子を産もうとなさったとき、弓矢が無くなった。「我が御子が麻須羅神の御子ならば弓矢よ出てこい」と言うと、水の中から角の弓矢が出てきた。「これは私の弓矢ではない」と投げ捨てると、今度は金の弓矢が出現した。キサカヒメは弓矢を取ると、暗い岩穴に向かって矢を射った。そして光り輝いたその岩穴は佐太大神の誕生地となった。
この岩穴は現在「加賀の潜戸」と呼ばれ、島根県松江市島根町に実在する。この岩穴を通るときは声を出して通らねばならない。もし黙って通ると突風が吹いて必ず船は転覆すると伝わる。このことから海上安全を左右する御神徳があると考えられる。
神様属性
水属性
赤貝の化身であり、浄化と生命力を担う神様であるため、水属性の神様と考えられます。出雲国風土記の伝承からも海辺の印象が強い事も特徴です。
この記事へのコメントはありません。