出雲大社の参拝作法は二礼二拍手一礼ではない!?
他の一般的な神社と比べて特別なルールや謎が多い出雲大社。今回ご紹介する参拝作法も他とは違う独自性を持っています。
神社の参拝はあくまでも気持ちが大事。作法を守らないからといって参拝する価値が下がったりはしませんが、作法に隠された意味を知ると出雲大社がもっと楽しくなります。
今回はそんな参拝作法について、ご紹介してみます。
出雲大社の参拝作法
二礼、四拍手、一礼
礼とは拝のこと
拝とは90度に腰を折る、最上級に深いおじぎのこと。ですから正確には二拝、四拍手、一拝という事になります。
私たちが日常的に使っている礼という言葉は、おじぎをすること以外にも慎む心などを言い表していますので、参拝作法としても間違った言い方ではないと思います。
ちなみに腰を15度折るおじぎを、小揖(しょうゆう)と呼び、45度折るおじぎは深揖(しんゆう)と呼びます。
鳥居をくぐる時に行うお辞儀は小揖ですね。拝殿や本殿の前で行う最上級のおじぎに対して、少し簡素な会釈程度のご挨拶になります。
拍手は神をお呼びする作法
拍手については特別決まりがありません。手を合わせ、指を少しずらして拍手をするとキレイに大きな音を鳴らす事ができます。
どのように手を合わせるとか、どのくらいの音を出せば良いかということは問題ではありませんので、ご自分で無理のない範囲の拍手を打ってください。
大事なのは神様をお呼びするという事。
神社において神様をお呼びするためには、清らかな音が必要な様です。例えば拝殿に備えられた鈴、神楽や雅楽によって奏でられる楽器もそうです。巫女さんが舞うときにも手には鈴を持っておられたりしますよね。
音を鳴らすという行為は、古来より魔除けであり、神を召喚するための神聖な作法なのです。心を込めて打つようにしましょう。
神社の参拝作法はなぜこうなった?
一般的な参拝作法は二礼二拍手一礼であるのに対し、出雲大社は拍手が2回多いです。しかし、なぜか出雲大社は通常の倍の拍手をするのです。不思議ですよね。
しかし、そもそもなぜこのように礼をしたり拍手をしたりするのでしょうか?
その答えは意外なものなのです。
明治政府が決めたから
実は明治政府が決めたからという単純な理由なのです!明治時代は急速に西洋化を進めた時代でした。当時13万社以上あった神社が8万社に統廃合されていった事からもわかるように、あらゆる物が合理化されていきました。
神社の参拝作法も、神社ごとにそれぞれ違っていた様ですが、そこに統一ルールが作られた訳です。ちなみに神棚なども明治以降に定着した風習です。
出雲大社の正式作法は8拍手!?
四拍手でも多いとお感じになったかもしれませんが、実は神職の方が行う正式な作法は八拍手なのです。
この八拍手をするのは5月14日の例祭の日のみ。
それ以外の日は略式という事で半分の四拍手にしている。
これも手抜きの為に半分にしているという事ではありません。逆に年に一度の例祭に重きを置いて、縁起の良い八拍手を行う為、それ以外の日常的な拍手を半分にしているのでしょう。
伊勢神宮でも正式な作法は八度拝という作法でお祀りされています。八という数字はそれだけ神聖なものと思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
一見出雲大社が特別な作法を行っているようでいて、他の神社で行われている参拝作法も、実は近代に成立したものなのです。
ですから、参拝作法というのはあくまでも気持ちが大事で、細かいことは間違っても大丈夫なのです。
しかし神職の方はそのような細かな作法についても伝承していく義務をお持ちです。何代にも渡り伝統が残っていくのは、それを真摯に守り続ける方々がいるから。
日本国民ならば可能な限り作法を覚え、後世に伝えていける存在になれたらいいですね。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
皆様に素敵なご縁が結ばれますように!
この記事へのコメントはありません。