茅の輪くぐりの由来や意味は?茅の輪は持ち帰ってもいいの?
夏を目前に控えた6月末。全国の神社で目にする光景。茅の輪くぐり。
何となく皆がくぐるから、見よう見まねでやってますよね。ではそもそも茅の輪ってなんでしょう?その意味を知るとどういう心構えでくぐったらいいのかが分かります!早速紹介していきましょう!
茅の輪とは何?
茅(かや)というイネ科の植物で編んだ輪っかです。
この茅の輪を8の字状に3度くぐると穢れを祓い清める効果があり、無病息災のご利益があるとされています。
茅の輪のくぐり方
くぐりながら唱える詞は神社によって違ったりします。
パターン1
祓へ給へ 清め給へ 守り給へ 幸へ給へ
パターン2
水無月の名越の祓するひとは千年ちとせの命のぶといふなり~♪
呪文を唱えたり和歌を詠んだりと、神社によってルールが違います。茅の輪の周りにルールが書いてない場合は神職の方にお聞きするのも良いでしょう。
穢れを祓うとは!?
日常生活をしていると私たちの体には自然とケガレが溜まっていきます。
ケガレとは怒り、憤り、不安、恐れなど負の感情であったり、徳を積めない行動や考えであったり・・・
そうした穢れを清める手段として手水をとることや、祓社にお参りする、お祓いを受けるなどがありますよね。
そして、穢れを祓う最大のイベントが大祓(おおはらえ)です。
茅の輪はいつくぐる?
6月30日が夏越の大祓
12月31日が年越の大祓
昔は1年を前半と後半に分け、特に厳しい季節の変わり目となる夏と冬の境目に大祓を行う風習があったのでしょう。これは体調を壊しやすい時期だからこそ、無病息災を願うのにふさわしいとも言えます。
12月の大三十日(おおみそか)には大騒ぎなのに、6月のおおみそかにはしっとりと健康を祈るという、半分西洋的で半分日本的な感じですね。
どちらのお祭りにも茅の輪を出す神社もあるようですが、一般的には夏越の大祓の時の方が多いのではないでしょうか?
茅の輪は持ち帰ってもいい?
皆がくぐった物はダメ!
茅の輪の由来や意味が分からない為に、くぐった後の茅の輪をむしり取って帰る人がいる様です。
これは完全にNG!
だって、皆んなの穢れを受け止めてくれた茅の輪ですから、
それを持ち帰るということは、
穢れも一緒にテイクアウトという事!
ちなみに社務所で売っているものはOK!
くれぐれもお間違えない様に。。
茅の輪の由来
インドの神様、武塔天神(むとうてんじん)はある旅の途中、泊まる場所を探していました。
そしてとある裕福な家庭の男に泊めてもらおうとしますが、断られました。
そこでその裕福な男の兄である蘇民将来(そみんしょうらい)という男の家で宿泊をお願いすると、
貧しいのにも関わらず快くもてなしてくれました。
武塔天神は蘇民将来に感謝し、自身の正体を明かします。
武塔天神はなんと須佐之男命(すさのおのみこと)だったのです。
そしてこんなお告げを残します。
「疫病が流行した時は茅の輪を腰につけなさい。そうすれば疫病を免れる事ができるでしょう。」
そして蘇民将来は疫病を免れたのでした。。。
蘇民将来の神話は何を意味するのか
奈良時代以降、仏教が伝来してからというもの、日本の神様は仏様やその他外来の神様と習合していきました。
つまりご利益やご由緒が似ている神様を同一とみなす神仏習合という思想です。
スサノオはインドの神様である、武塔天神(むとうてんじん)と同一視されていました。
またさらに同じくインドの神様である牛頭天皇(ごずてんのう)とも同一視されていました。
牛頭天皇は寺を守護する神であり、一方では疫病の神様でもあります。
こうした関係性から、武塔天神と蘇民将来の話にスサノオと牛頭天皇がミックスされた話になっていったのでしょう。
出雲大社の茅の輪くぐり
6月30日のpm16時~20時で設置されます
神楽殿ではpm16時から大祓式が行われます。
大祓式は一般の方も参加可能です。神職の方と大祓祝詞を唱え、無病息災を祈ります。
また、この期間中設置される茅の輪は他の神社と少し違って、なぜか馬蹄の形をしています。これは神魂神社と同じ形なのも不思議。
ちなみに同じ出雲一之宮でも熊野大社は違う形です。
まとめ
いかがだったでしょうか?茅の輪は健康を願うお祭りということがわかっていただけましたでしょうか。
意味を理解して参拝すると、ご利益をいただきやすいもの。
健康を願うお祭りで、恋愛のお願いなどをしても神様は困ってしまいますね。
茅の輪のお祭りに参加して、皆んな健康に夏を迎えられるようにしましょう!
最後まで読んでくださってありがとうございます!
皆様にステキなご縁がありますように!
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