神社の千木は何を意味するのか!?
出雲大社をはじめとする神社の御本殿の屋根には千木と呼ばれるパーツがあります。どの神社にも共通して見られるこのパーツは何を意味するのでしょうか?
神様の名前を知らなくても、初めて訪れる神社でも、これを知っているだけで歴史家のように「ふむふむ」と何か気付いちゃった風に参拝出来てしまいます!
また、あなたにとって大切な神様が本当はどんなルーツを持っているのかを知ることもできます。より良いご縁が結ばれますように、千木の意味を理解してみましょう!
千木(ちぎ)とはどこにある?
屋根の上に置かれているクロスした形の飾りです。
棒状のものを鰹木(かつおぎ)と呼びます。
千木の由来
もともとは屋根と屋根の接合部を切り揃えずにとめる事で、屋根の強度を向上させるための施工方法だったと見られています。
しかしデザインが洗練されていくうちに出雲大社の御本殿のような「置き千木」という、屋根の上に置いてあるだけの飾りになっていきました。
本当に宮大工さんてオシャレなんですね。伝統をその時代の解釈で、コピーじゃなくカバーしていくといいますか、デザインを洗練させていく。
神社は屋根の素材にしても、飾りにしても、屋根の裏側の彫刻も、、数えきれないほどオシャレなんです。
こうした宮大工さんの技術を忘れないようにするためにうまく継承していって欲しいと願います。これには遷宮が非常に重要ですが、遷宮についてはまた後日書きます。
千木の種類には意味がある?
千木には「内そぎ」と「外そぎ」の2種類があります。この2種類がなんの意味を持っているのかは諸説ありますが、1番メジャーな説は男神か女神かを表しているというものです。
つまり、このような分類です
- 内そぎは女千木(めちぎ)で女神を表す
- 外そぎは男千木(おちぎ)で男神を表す
あなたがいつも参拝している神社はどんな神様が祀られているのでしょうか?御由緒が書かれていない神社などは千木で判断すると少なくとも神様が男神なのか女神なのかくらいは判断できると言えます。
例外があるのは何故か
たくさん神社に参拝なさっている方はお気づきでしょう。この男神か女神かという分類では説明ができない神社が多くあることを。
説明ができない神社の代表例はこちら
ここで私なりの考察法をお教えしますね。
御祭神が変わった
神社が建てられた時に祀られていた神様が、違う神様に変えられた、もしくは神仏習合の時代に他の神様や仏様と同一視され、違う神様の名前が御由緒に書かれるようになったなどの理由です。
出雲大社も一時期は御本殿にスサノオ様をお祀りしていたのです。
ご存知でした?神社にも流行があって、色々とその時の流行りに左右されているのです。人の営みが常識を作っていくようですね。
建築様式の違い
こんなことを書くと色んな歴史学者から文句を言われそうですが、ここはブログで私見万歳なので書きます。
- 内そぎは九州系
- 外そぎは出雲系
これを解説するには古事記に反する事もたくさん言わないといけないので、そういう部分は直会で言うとして…笑
邪馬台国(大和国)は天照大御神の孫、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が高千穂に降臨した事からも分かるように、九州から始まっています。そして、東へと軍をすすめ、国譲りが成立していた出雲を統合し、奈良に落ち着きます。
もともと出雲で信仰されていた神は次第に大和系の神として書き換えられたり、出雲の神を祀るのをやめて大和系の神が祀られるようになった神社もありました。国を作るには軍事力だけでは無理です。
国を作るには祭祀や尊敬できる人【神】が必要だったのです。大和は出雲の神を利用しました。いや、出雲の神と血縁を持ち、親戚になっていったのです。出雲の神が祟るとか、大和への恨みがあるとか、そういった都市伝説みたいなお話をする人がたくさんおられます。
今は平成の御代です。良いことも悪いこともありません。全ては当時の人々がそうしたいと思ってしてきたこと。そしてそれは全て私たちの先祖。過去は過去、日本人はそういう価値観ではないでしょうか?
ただし、この出雲系か九州系かを見分けるスキルは色んな面で生活に役に立ち、真実を見定めるのに役立ちます。その点についてはまた別の記事に書いていきますね。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
皆様に良い縁が結ばれますように。
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