朝山神社|神在月に八百万の神々が真っ先に訪れる神社とは?
旧暦10月1日、現代の暦では10月末から11月初旬あたり、出雲ではこの日から神在月(かみありづき)となります。
神在とは名の通り、神様がお集まりになるからであり、この期間中は出雲以外では「神無月(かんなづき)」と呼びます。
そんな神在月の到来を告げる神事が朝山神社で行われます。
それは神迎祭と呼ばれ、八百万の神をお迎えし、十九社へとお通しする神事です。
朝山神社の神迎祭
旧暦10月1日の15時ごろ
神社の氏子が集まり、朝山神社へご到着になった八百万の神を神籬に降ろします。
神籬に降りた神は神社の境内へと歩を進めますが、そのご神体を見ることは失礼に当たります。
氏子が持つ絹垣によって包まれて移動なさいます。
氏子集の真剣な面持ちがその場の雰囲気を張り詰めたものにしていきます。ミスは許されないのです。
出雲で一番最初に八百万の神を受け入れる神事です。神様に失礼があってはこの後の神事に支障をきたすことになります。
こんな責任のある仕事が他にあるでしょうか?
やっとのことで十九社に到着すると、神籬は十九社の中へと納められ、絹垣が外されます。
丁重に献饌が行われます。いわゆるお供え物ですね。
ものすごい量です!おもてなしがすごい!!
その後氏子から順番に榊をささげ、お祭りが終了。
お神酒とお米、お札をもらって神事は無事終了となります。
十九社についてはこちらの記事をご参照ください
朝山神社の謎
謎その1 出雲大社よりも早く神様が到着
全国的に有名な神迎祭は出雲大社の方ですが、出雲大社の神迎祭は旧暦10月10日、朝山神社は10日も早くお迎えするのです!
朝山神社にどんな意味があるのでしょうか!?
なぜ八百万の神はこの神社に寄り道(?)するのでしょうか!?
真っ先にお越しになるところをみると、寄り道というよりもっと深い意味がありそうです。
謎その2 八百万の神が滞在する期間
八百万の神が出雲大社に滞在する期間は7日間です。
それに対して朝山神社に滞在する期間は10日間なのです!!
これは絶対に何かあるに違いありません!!
朝山神社の謎を解くカギ!?
出雲風土記に意味深な記述
出雲の風土記の記述
「朝山郷。神魂命の御子、真玉着玉之邑日女命が鎮座していらっしゃった。そのとき所造天下大神、大穴持命が娶りなさって、朝毎にお通いになった。だから、朝山という。」
大穴持命とは大国主命の別名です。出雲風土記では所造天下大神という呼び名も出てきます。
大国主命にはたくさんの呼び名がありますね。
正妻スセリヒメの目を盗んでは色んな地方の女神を求めた大国主命。今回もその熱心な姿が週刊誌に載ってしまった感じですよね。週刊誌ではなく風土記ですが。。
大国主命が通っていたから、八百万の神も通うようになった!?
それなら正妻スセリヒメを祀った、那賣佐神社(なめさじんじゃ)の方がふさわしい気もします。
謎の神様 「真玉着玉之邑日女命」
またま つくたま むらひめのみこと
お名前をブロックごとに割ってみても、本当のお姿が分からない、お名前に込められた意味も分からない。
マタマツクタマという音には「玉のように完璧で美しい」という意味があるとされていますが、それが正しい解釈なのかは裏付けるものがありません。もしかして、真玉を作っていた姫?さらに、もしかしたら名前には大した意味はないのかもしれないですし、本当は違う名前をお持ちなのかもしれません。
カミムスビの娘はたくさんいらっしゃいますが、いったいどの神様のことを言っているのでしょうか?
カミムスビの御子とは!?
出雲風土記に登場するカミムスビの御子
綾門日女命
真玉着玉之邑日女
古事記に登場するカミムスビの御子
蚶貝比売命&蛤貝比売命
オオクニヌシが死んでしまった時、蘇生を行った女神ペア。出雲大社の本殿横の神魂伊能知比売神社という摂社に祀られている。
出雲大社の摂社に見えるカミムスビの御子
多紀理姫
アマテラス・スサノオの誓約によって誕生した宗像三女神のうちの一柱。別名を田心姫などともいう。出雲大社の本殿横の神魂御子神社に祀られている。記紀ではスサノオの娘とされているが、なぜか出雲大社ではカミムスビの御子と言わんばかりの名前の摂社に祀られ、説明書きにはオオクニヌシの妻としてある。
朝山神社へのアクセス
出雲大社から車で50分程度、そして完全に山の頂上にあります。
バスで上がることも不可能ですので、タクシーかレンタカーでお越しになるのが良いでしょう。
ただし細い道を上がりますので、運転に自信のない方はタクシーで!
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
皆様に良いご縁が結ばれますように!
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