1. HOME
  2. ブログ
  3. 阿利神社|アジスキタカヒコの産まれた土地!?風土記に記載の高岸郷

阿利神社|アジスキタカヒコの産まれた土地!?風土記に記載の高岸郷

出雲市塩冶町に鎮座する阿利あり神社。古くは出雲風土記(733年)に記載が見える古社です。住宅街の真ん中にポツンと佇む姿は、住み慣れた人にとっては当たり前に見えるかもしれませんが、これがまた立派なご由緒を持っているんですってば。

 

阿利神社のご祭神

阿遅須枳高日子根命あじすきたかひこねのみこと

この神様は古事記・出雲風土記によると、大国主命の息子として登場。特に出雲風土記では大変手のかかる子だったことが記載されています。詳しくは後に記載します。また、この御本殿の中には2つの合殿が祀られているようです。

 

合殿「加利比賣神社」

加利比賣命かりひめのみこと

この神様はアジスキタカヒコのお妃と記載されていますが、記紀や風土記には登場しません。むしろ出雲風土記ではアジスキタカヒコのお妃は天御梶日女命あめのみかじひめのみことと記載されています。別名を持っておられたのか、それともたくさんのお妃を娶っておられたのか。謎です。

 

合殿「幸神社」

猿田比古命さるたひこのみこと

宇豆賣命うずめのみこと

この神様は古事記に登場するご夫婦の神様ですね。アマテラスの孫にお供として降臨したアメノウズメと、それをお迎えし道案内したサルタヒコ。

 

阿利神社のご由緒

出雲風土記に阿利社と記載され、また延喜式神名帳にも阿利神社と記載されている。また、出雲風土記にはご祭神の御出生に関わる重要な記載が見えます。

-出雲風土記 高岸郷-
群家の東北二里のところにある。所造天下大神あめのしたつくらししおおかみの御子、阿遅須枳高日子命が昼夜となくひどくお泣きになった。それでそこに高屋を造り、御子をお据えした。そして高梯たかはしを建て、昇り降りさせて養育し申し上げた。だから高崖たかぎしという。


つまりここはアジスキタカヒコの産まれた土地!?もしくは幼少期を過ごした土地!?

そして、泣きじゃくるアジスキタカヒコですが、同じ出雲風土記の三澤には「生まれつき言葉を話せなかった」とも記載されています。父上も手を焼いたことでしょう。しかし、そんなアジスキタカヒコも将来は「加茂の大神」と呼ばれ、京都の上賀茂神社に祀られるのですから!

幼少期に多少親を困らせたからって、全然心配いらないのです。大器晩成型だと思って、ゆったり構えて育てましょう。いけない!アラフォーな感じがにじみ出てしまった。。

 

阿利神社の旧鎮座地

このタカギシという名前は現在の塩冶町の大字名「高西」という名前につながっていると考えられるが、これは旧鎮座地の地名。

 

元々は現在の社地から北西へ800mほど行った地に鎮座していたとのこと。訳あって明治15年に現在地に遷座。この地はもともと尼子の武将「吾郷彈正武利」のお社があり、その子孫である吾郷家が管理する土地なのだとか。

どうしてこの地に遷座させたのかは謎ですが、社地は吾郷家からの寄進とされることから、崇敬篤いお方がおられたのかもしれません。

 

阿利神社の境内

御本殿

社殿は大社造り?または大鳥造と思われます。

千木は男千木、御神紋は二重亀甲に剣花菱、社殿は南を向いています。

 

彈正社

吾郷彈正武利命

 

阿利神社へのアクセス

出雲市駅から車で約5分。ただし神社には駐車場がなく、神社の向かいにある駐車場は月極なので停められません。路駐などして一瞬でお参りを済ませるか、出雲市駅から徒歩15分で目指すか。。。

 

まとめ

アジスキタカヒコの幼少時代を伺える阿利神社。吾郷家についてもご由緒が気になる感じです。アジスキタカヒコについてはご由緒が一貫しておらず、書物によってご家族の記述が違ったりで混乱します。

近くにある塩冶神社のご祭神はアジスキタカヒコの息子とされているのですが・・・これがまた古事記には登場しないのです。次は塩冶神社にお参りしてみましょうか。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

初めての日本神話にオススメの本

神社に興味があるのに!
神社の御由緒書きを読んでも内容が分からない!

パワースポットとか大好きなのに
ネット検索するしか調べる術がない…

日本文化をもっと詳しく知りたい
と思ったら、神話にルーツがありそうだと分かった…

などと悩んでいる方!実は僕もそうだったんです!これからご紹介する本を読めば、神社に行くのがもっと楽しくなって、日本文化のルーツが分かります!

でも神話って読みにくい・・・そんな最初のハードルを越えやすい優秀な書籍です。
僕は今でも片手に読みながらブログを書いています。時には神社参拝に持っていく事も!
神社のいろはを勉強するならまずは読んで欲しい。。そんなお勧めの書籍たちをご紹介します!


古事記の入門書

皇室の旧宮家である、竹田恒泰先生の書籍。古事記には非常にたくさんの神様が出てきて、全部覚えようとすると挫折します。。実は古事記って再び登場する神はほとんどないんです。 この本は覚えた方がいい神様とそうではない神様を見分ける目印がついているというスグレモノ! さらに皇室側の視点で見た読解がすごく面白い!そして丁寧な解説!初めて古事記を読むなら、この本が絶対おすすめ!


日本書紀の入門書

神話や和歌が少ない日本書紀は、読み進めるのがつまらなくなりがち。だって日本書紀って年表を読んでいるような気になる記述なんです。 でもこの本なら漫画表記と文字表記がペアになっているという画期的な工夫がなされています! 文字だけ読みたい人にも、漫画だけ読みたい人にも一冊で対応可能!しかも、どっちを読んでもある程度内容がつかめてしまうという・・・初めて日本書紀読むなら絶対これ!


超高速で理解する古事記

note
超高速で理解する古事記|note

神様の名前を読む自信が無い!
神話を読む自信が無い!
そもそも本を1冊全部読めた試しがない!
だいたいどんな話なのか分かれば十分という方!
これなら超高速で古事記を理解し、10分あれば古事記の概要を理解し、天皇や神社について大雑把に理解できます。
時間のない方にもおすすめです!
読んでみる

神社参拝に便利な御朱印帳


出雲の神社を歩くなら!
御朱印帳を持参して思い出を残しましょう!
コロナ禍でも、神社参拝ならソーシャルディスタンスを保ってひっそりと楽しめる!日本人ならではの旅行を楽しみましょう!