宇賀神社|アヤトヒメの正体!?遠く離れたもう一つの宇賀とは?
大国主命の妻を訪ねる旅。
大国主命のプロポーズを断って、本気のかくれんぼの末、黄泉の国へ隠れた綾門日女命(あやとひめ)ですが、なんとこの地にも祀られていました。それが今回ご紹介する宍道町の宇賀神社です。
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宇賀神社の御由緒
宇賀神社には御由緒書きなどはなく、参拝しただけでは御祭神も分かりません。頼りになるのは宍道町八社巡礼スタンプラリーのパンフレットと、近くにある氷川神社のホームページなどから得られる情報だけ。
当社は大國主之大神親猟の犬垣たるを以って地名となす。
主神宇賀廼綾止女命にして地名も宇賀之女なるを誤訓の岡之目と違えり。
古来、大森神社の境外末社の上列であった。
これはつまり、大国主命が狩猟を行う地域であり、追いかけた獣が田畑に侵入しないように犬垣を設けたということでしょうか。宇賀神社は別名を犬垣神社とも呼ばれるそうです。
また、この辺りの地名を岡の目というらしいのですが、これも宇賀之女という字を写し間違えた事がきっかけの様です。やはり元々はウガノアヤトヒメという名前に由来しているのです。
綾門日女命とは!?
カミムスビの娘という、由緒正しきお家の令嬢。
大国主命がプロポーズをすると、山々を逃げ隠れ、最後は黄泉の穴へ隠れたと伝えられています。これは古代の風習で、プロポーズされたら即答せずに隠れることになっていた様です。
宇賀とは!?
綾門日女命の名前の前に宇賀(うか)とついているのはなぜ!?出雲風土記によると、大国主命が訪ねて回ったという行動が由来となっている様ですが・・・
伺い求めるからウカ。
しかし、この宍道町にある宇賀神社にはもう一つの大事なキーワードが見えます。
それは宇迦や倉稲です。
どちらもウカという読み方をする言葉ですが、これはつまり稲荷神社の御祭神である宇迦之御魂・倉稲魂命(うかのみたま)を指しています。なぜこのキーワードが出てくるのかというと、宇賀神社の本殿裏には稲荷神社の特徴である狐穴が開いているのです!!
※写真を撮り忘れたため、参考写真を掲載しています。
この事実は次の二つの可能性を示唆します
- 出雲風土記に由来する宇賀と、稲荷神の宇迦を混同してしまった
- 綾門日女命の本当のお姿は稲荷神
綾門日女命が稲荷神であるウカノミタマだったすると、神話との食い違いがたくさん出てきてしまいます。まずウカノミタマはスサノオの御子であること、男神であることなどが大きな問題ですが・・・
美女を追いかけて宍道まで来たらキツネに化かされたような気分です
あぁ。アヤトヒメさん。なんとかくれんぼの上手なヒトなのでしょう。
宇賀神社の御本殿
社殿は出雲系の大社造りに、大和系の女千木。
御神紋は二重亀甲に木瓜紋、方角は真西を向いていました。
宇賀神社の境内
木漏れ日が美しく、心が和みます。
観光客はもちろん、人の出入りが少ないのでしょう。
苔が森の様になっていました。
宇賀神社へのアクセス
公共交通機関などで目指すことは難しく、マイカーかレンタカーで行くしかありません。
しかし、近隣に駐車場などはなく、鳥居の前の僅かなスペースに停めるしかありません。Uターンも難しい細道になっていますので、運転が苦手な方は晴れた日に参拝する事をおすすめします。 雨の日や夜間の参拝ですと、脱輪して帰れなくなる可能性が・・・
まとめ
綾門日女命を追いかける旅の終着点には、姫が稲荷神というオチ。真偽のほどは分かりませんが、書き間違えや伝え間違えは当たり前にあります。綾門日女命の実家からはずいぶん遠く離れた宍道で、大事にお祀りされていた姫はどんなお方だったのでしょうか・・・
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