売沼神社|八上姫の実家?お墓?必死に口説いていたあの神様!
大国主の妻を訪ねる旅。
次に訪れたのは因幡の国の美女、八上姫(やがみひめ)を祀る売沼神社(めぬまじんじゃ)です。
八上姫と言えば因幡の白兎神話と密接な関係を持っています。
その昔、大国主命は鳥取の因幡の国にたいそう美しい女神がいると聞いて、お出かけになり、この地を訪れたのだそうです。
売沼神社の周辺にはそうしたラブストーリーの痕跡が残っているのですが・・・早速ご紹介していきましょう!
売沼神社の御由緒
現在の社名は、賣沼(めぬま)となっていますが、古くは比賣沼(ひめぬま)だったそうで、いつしか比という字が脱落した事が社名の由来。という事で、姫がいらっしゃるところという意味を持った神社であることが分かります。
この神社、元々は曳田川(ひけたがわ)の対岸にある山の中腹にあったそうです。対岸には梁瀬山(やなせやま)があり、山の尾根には嶽古墳(だけこふん)という前方後円墳があります。地元の人は八上姫の御陵だとして、大事に守っておられるようです。
川端には彼岸花が咲いていました。彼岸花は種子では増えない花。自生しないので、人為的に植えられる以外に咲くことはありません。ここはやはりお墓だという事がうかがい知れます。ここに眠る八上姫に遭うために、大国主命は出雲から約170㎞もの道のりを旅したのかと思うと遥かな気持ちになります。
売沼神社の御本殿
社殿は流造で、千木は出雲系の男千木、御神紋は桜。
社殿は南東の方角を向いています。
元々の鎮座地はここではなく、曳田川の対岸にある古墳だとすると向いていた方角なども違っていたかもしれません。
八上姫と因幡の白兎神話
むかーしむかし。
因幡の国に絶世の美女がいるという噂を聞きつけ、求婚するために大国主命と八十神(オオクニヌシの兄たち)は因幡の国へと旅に出ました。大国主命は末っ子だったので、荷物持ち係です。
すると因幡の国の砂浜に差し掛かった時、ウサギが浜辺で泣いていました。ウサギは海に浮かぶ沖の島に渡るため、サメをだまして渡ったのですが、結局はだましたことがバレてしまい身ぐるみ剥がされたのでした。
大国主命はウサギに傷を癒す方法を伝授します。無事に傷が癒えたウサギは大変感謝し、大国主命に大事な予言を渡すのでした。
ウサギ「八上姫と結ばれるのは八十神ではなく、大国主命でしょう」
この発言がきっかけとなり、八上姫は大国主と結ばれます。しかし、出雲から長い道のりを歩いてきたのは八十神も同じ。大国主命は八十神の恨みを買う事になってしまうのです。何度も命を狙われた大国主命はついに出雲の国にいられなくなり、根の国にいるスサノオのもとに亡命するのでした。
スサノオの元には美しいスセリ姫がいて、二人は一目ぼれから駆け落ちのスピード婚。八上姫が大国主命を探して出雲の国を訪れた時には、嫉妬深いスセリ姫を恐れて、結局は逢う事が出来なかったのでした。しかしそんな八上姫のお腹には新たな命が宿っていたのですが・・
美しい姫にまつわる儚く悲しいストーリー。口は災いの元とか、ワンナイトラブでは続かないとか、色んな教訓が浮かびますよね。。
因幡の白兎神話をもう少し詳しく知りたい方はこちらからどうぞ
八上姫と大国主のラブストーリー
ここ曳田の地には、古事記に載っていないラブストーリーが語り継がれています。そしてそれが地名に残っているのです。
大国主命が恋文をしたためた倭文
大国主命はなんとラブレターを送っていたのです。
通りすがりに首尾よく美女をゲットしたように語られていた神話ですが、実は必死に口説いていた事がうかがい知れますね。
この逸話は売沼神社の北西にある倭文神社(しとりじんじゃ)に残されているのですが、倭文神社は現在荒廃している様子でした。かなり過疎地に鎮座しているため、社殿を維持することが難しいのでしょうか。。
二人の思いが通じ合った円通寺
ラブレター作戦が成功した大国主命は、ようやく八上姫と逢う事ができたのでしょう。倭文神社の対岸の地、円通寺は二人の想いが通じ合った縁通じに由来するそうです。
売沼神社の境内摂社
熊野神社
お社が二つある!?
御祭神なども明らかにされていません。。
稲荷神社
売沼神社へのアクセス
公共交通機関で目指すことは困難です。
鳥取市内からはマイカーもしくはレンタカーを使用しましょう。神社隣には八上姫公園があり、車を停めることは容易です。
まとめ
八上姫を求めて参拝した神社には、姫の御陵がありました。ここが実家であり、最期を迎えた場所なのでしょうか。そしてその周辺には因幡の白兎神話には見えない、大国主命の求婚にまつわる、「必死な口説き」が見えました。
しかし、実はこの二人のラブストーリーには異伝があるのです。そして鳥取県側と島根県側では全然違うストーリーになっていることも面白い!
現在調査を進めていますので、随時アップしていきますね!
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