【愛宕と秋葉】名前の意味と由来は?火の神様を詳しく解説
全国に展開する火の神様をお祀りしている神社、愛宕さんと秋葉さん。皆様の住んでいる町にもきっとありますよね?
秋葉神社はなんと神社本庁に登録されている神社だけで400社!それ以外を合わせるとざっと900社くらいは存在しているらしいです。
そしてさらに愛宕神社も同程度存在しているらしいのです!まさに老舗の全国チェーン神社なのです。その店舗数約2,000店!
なぜこれほどまでに全国で信仰されているのか?もともとどんな神社だったのか、これが分かると身近なお祀り事にも納得!ぜひ一緒に学んでいきましょう!
愛宕さんと秋葉さんのルーツとは?
愛宕神社の総本社
京都右京区にある愛宕神社
現在のご祭神は迦遇槌命
秋葉神社の総本社
静岡県浜松市の秋葉山本宮 秋葉神社
現在のご祭神は火之迦具土大神
字は違えど、どちらにもカグツチという音が見えます。
古事記でいうところの火の神様ということで共通しています。
火の神様ヒノカグツチとは?
この神様はイザナギ・イザナミの御子であり、その子孫には雷神・水神など様々な神様がいらっしゃいます。
なかでも一番有名なのは建御雷です。
この神様は出雲に国譲りを迫ったことで有名ですね。くわしくはこちらの記事をご参照ください。
ちなみに火之迦具土はイザナミが最後に産んだ神。火の神様を産んでしまったことでイザナミは大やけどを負って亡くなってしまいます。妻を失ったイザナギは大変怒り、十拳剣で火之迦具土を切り殺してしまいます。
火之迦具土の遺体や飛び散った血からそれぞれ神が生じたという伝承が残っています。
御子である雷神や水神は、婚姻によって産まれたのではないというのも不思議なお話です。
愛宕神社が全国展開した理由
※画像引用:愛宕神社公式サイト
もともと愛宕神社にお祀りされていたのは愛宕権現。
権現とは仏様が仮の姿で現れる時のお名前。
仏教が伝来してきた時代、神と仏を同一の存在とみなす神仏習合の思想によって、
勝軍地蔵という仏様がイザナミ権現として現れると考えられていました。
つまり愛宕権現とはイザナミのこと。
しかしその後、御子であるカグツチも祀られるようになっていきました。
愛宕山の山頂にあったことから、古くは山岳修行に明け暮れた修験者にとっての霊場として栄え、
また、本地仏(本来の姿)である勝軍地蔵は、戦国期には自軍を勝利に導く神として武家からの信仰を集めたそうです。
その後、明治初期の神仏分離令によって、仏様は追い出され、カグツチが残り、神社となっていったのです。
愛宕神社の特別なご利益
愛宕の三つ参りと言われ、3歳までに参拝すると一生火事に遭わないとされています。
また、7月31日から8月1日未明にかけて参拝すると千日分のご利益があるのだとか!
愛宕神社の特別なご利益アイテム
※画像引用:愛宕神社公式サイト
火迺要慎(ひのようじん)
と書かれた愛宕神社のお札はご利益が非常に分かりやすく書かれていますね。
この知って得する参拝システムは、古い神社神道にない、画期的なものでした。
そしてあっという間に人気が出て、全国展開となったのでしょう。
秋葉神社が全国展開した理由
※画像引用:本宮秋葉神社公式サイト
もともと秋葉神社にお祀りされていたのは秋葉権現。
秋葉山の山頂にあった秋葉神社は、愛宕神社と同じように修験道との関りが強く、
秋葉権現は後に三尺坊天狗と同一視されるようになりました。
三尺坊天狗とは、山で修行していた三尺坊という方が、修行の結果 神通力(じんつうりき)を体得し、
生きながらにして天狗へと進化したと言われる伝説です。
天狗には「天狗火」と言われる神通力があり、火を操る存在とされていたようです。
このことから火伏の神様となっていったのでしょうか?
江戸時代には秋葉信仰が強まり、秋葉大権現を乗せた御神輿(おみこし)が東海道を江戸と京都へ進んでいったそうです。
12月15日~16日には秋葉の火祭りが行われます。
秋葉原の地名由来となった
神社に関心のない方に「秋葉」とは「アキバ」ではないでしょうか?
そう、世界に誇る電気街、アキハバラですよね!?
じつは明治時代の東京大火の際に政府が建立した鎮火社(火を霊的に治めるためのお社)に、
民衆が秋葉信仰を重ねたことで秋葉神社となっていったのです。
そして、火事の延焼防止の為に設けられた空き地が秋葉の原と呼ばれ、現在の地名につながっていったそうです。
ということは本来アキバハラ?
まとめ
西の愛宕さん、東の秋葉さんと分類すると覚えやすいかもしれません。
西の愛宕さんは商売上手で便利アイテムもゲットできます。
東の秋葉さんは霊験あらたかな天狗様。
どちらも火の神様を祀る点で、火事が絶えなかった昔の町には、国民にとってとても大事な信仰だったのでしょう。
現在では火の神様よりも恋愛やお金の神様が重視される傾向がある事を見ると、
世の中はずいぶん豊かになったのだな~と遥かな気持ちになりますね。
ぜひあなたの町の火の神様を探してみてください。
案外と愛宕山とか、秋葉山とかいう山があったり、地名になっていたりもします。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
皆様に良いご縁が結ばれますように!
初めての日本神話にオススメの本
この記事を読んだ方はこんなお悩みがあるではないでしょうか!?
神社に興味があるのに!
神社の御由緒書きを読んでも内容が分からない!
パワースポットとか大好きなのに
ネット検索するしか調べる術がない…
日本文化をもっと詳しく知りたい
と思ったら、神話にルーツがありそうだと分かった…
などと悩んでいる方!実は僕もそうだったんです!これからご紹介する本を読めば、神社に行くのがもっと楽しくなって、日本文化のルーツが分かります!
でも神話って読みにくい・・・そんな最初のハードルを越えやすい優秀な書籍です。僕は今でも片手に読みながらブログを書いています。時には神社参拝に持っていく事も!
神社のいろはを勉強するならまずは読んで欲しい。。そんなお勧めの書籍たちをご紹介します!
古事記の入門書
皇室の旧宮家である、竹田恒泰先生の書籍。古事記には非常にたくさんの神様が出てきて、全部覚えようとすると挫折します。。実は古事記って再び登場する神はほとんどないんです。
この本は覚えた方がいい神様とそうではない神様を見分ける目印がついているというスグレモノ!
さらに皇室側の視点で見た読解がすごく面白い!そして丁寧な解説!初めて古事記を読むなら、この本が絶対おすすめ!
日本書紀の入門書
神話や和歌が少ない日本書紀は、読み進めるのがつまらなくなりがち。だって日本書紀って年表を読んでいるような気になる記述なんです。
でもこの本なら漫画表記と文字表記がペアになっているという画期的な工夫がなされています!
文字だけ読みたい人にも、漫画だけ読みたい人にも一冊で対応可能!しかも、どっちを読んでもある程度内容がつかめてしまうという・・・初めて日本書紀読むなら絶対これ!
超高速で理解する古事記
This post is worth everyone’s attention. Where can I find out more?
Thanks for your comment. What do you want to know?