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オオクニヌシ|大国主命・大穴牟遅神・葦原色許男神・所造天下大神

オオクニヌシ

【古事記】

大国主命(おおくにぬしのみこと)

大穴牟遅神(おおなむじのかみ)

葦原色許男神(あしはらしこおのかみ)

八千矛神(やちほこのかみ)

宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ)

【出雲風土記】

所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)

オオクニヌシの特徴

女性にモテる・薬草の知識・大胆な行動力・出雲国を統治

オオクニヌシの御神徳・御利益

縁結び・子宝・病気平癒・念願成就

オオクニヌシの系譜

祖父:八束水臣津野命(国引き神話の神)

父:天之冬衣神

母:刺国若比売

妻:古事記では14人、出雲風土記では5人

オオクニヌシの名前

大穴持(おおなもち)、八千矛(やちほこ)、葦原醜男(あしはらしこお)、大国主、所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)

これ以外にも表記する文字の違いや記載されている書物によっても微妙に呼び名が違います。なぜこれほどまでに名前が多いのか?それぞれの名前から大国主の色々な側面が読み取れます。

大穴持ちとは!?

当時出雲国は日本屈指の鉱山と製鉄の技術を持った国だった。鉱山は穴を掘って発掘するもの。大きな穴をたくさん持つとは鉱山をたくさん所有し、豊かな国を築いたことが名前に表れているのでしょう。

書物によっては大名持と表記されることもありますが、この表記だと偉大な名前という意味か、国の代表という意味にも読み取れます。いずれにしても多くの国民に慕われていたのでしょう。

 八千矛とは!?

矛(ほこ)とは武器ではありません。当時の武器は鉄剣、矛とは祭具であり、しかも王家を象徴する祭具であったのです。また、矛は男性器の暗示でもあり、方々で女性と結ばれ子孫を残した大国主命はこのように呼ばれたのでしょう。

八千矛という表現は妻の一人である沼河姫との恋歌の中で歌われています。

葦原醜男と大国主とは!?

どちらも素戔嗚(スサノオ)が呼んだ名前である。素戔嗚尊の娘であり、後に大国主の正妻となる須勢理姫(すせりひめ)は大国主と恋に落ちた。

大国主は須勢理姫との結婚を許してもらうため素戔嗚の試練を受けることになった。

葦原醜男といういわゆる「この奴め」という表現から、見事試練を突破した暁には「大国主と名乗って立派な国を建国するがいい!」と激励されたと伝わっています。

所造天下大神とは!?

出雲の風土記に書かれている表現。出雲の王であり、出雲の国家をお創りになったという経緯が表れている名前ですね。

大黒様とは!?

神仏習合の時代には、仏様と神様を一緒に扱われ、神社の境内に仏教施設が建てられた理、「神様とは仏様の仮の姿である」といった考え方が用いられるようになりました。

その時代、七福神と日本の神様が同一視され、大国主命は大黒様と同一視されたのです。神話の中で大国主命が大袋を持っている姿で現れることが多いのは、大黒様がモチーフになっている要素が強いためです。

オオクニヌシにまつわる神話

因幡の白兎神話

因幡の国(現在の鳥取県鳥取市)へ旅をしていた大国主命。砂浜で毛皮を剥がれて泣いているウサギに出会います。その訳を聞いてみると、沖にある島に渡るため、サメをだまして利用したのですが、最後にはだましたことがバレて、身ぐるみはがされてしまったのでした。

大国主命は薬草の知識を駆使して、ウサギの治療をしました。すると見事にウサギは白い毛皮を取り戻したのでした。このお話から大国主命は病気平癒の御神徳があると考えられます。

スサノオの娘と駆け落ち

兄弟に命を狙われ、根の国にいるスサノオに助けを求めた大国主命。そこでスサノオの娘、スセリヒメに一目惚れしてしまいます。スセリヒメを嫁にもらうため、数々のスサノオの試練に耐えますが、最後には姫を奪って逃走!しかもスサノオの宝をたくさん盗むというおまけつき!

このお話から欲しいものは手に入れるという念願成就の御神徳があると考えられます。

国譲り神話

出雲の国を統治してきた大国主命の元に、天照大御神(アマテラス)から使いがやってきます。送り込まれた2度の使いも、ことごとく大国主のファンになってしまい、アマテラスの元には帰りませんでした。男にも憧れられる大国主命!

しかし3度目の使いは懐柔できませんでした。最後に派遣されたのは建御雷(タケミカヅチ)という最強の武神。ついに国を譲ることになった大国主命は、交換条件として出雲大社の建立を願い出たのでした。そして二度と政治の場には登場せず、幽世の神(かくりよのかみ)となったのでした。

アマテラスといえば天皇陛下の祖先神。つまり現在の日本国家の総氏神様です。この国譲りがもし全面戦争だったら、現在の日本はありません。大国主命が話し合いで国を譲ったからこそ、平和な日本があるのです。

国譲り神話は日本の国防に対する考え方、日本人の倫理観にも大きな影響を与えています。

恋多き大国主命

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とにかく奥さんも子供も多い!戦争なく国を広げる手段。それは血縁関係を結ぶ、すなわち「結婚」です。

どんなに対立する要素がある国同士でも親戚になってしまえば事を荒立てずに解決したいとなるでしょう。戦国の世でも、勝った国が負けた国の姫を嫁にもらうのは常でした。

色んな国との国交を結ぶため、平和な解決手段として多くの姫君と結ばれた大国主命。このことから大国主命は縁結びの御神徳を持つと考えられます。

古事記に見る大国主命の妻

番号御神名読み方
1八上比売やがみひめ
2須勢理毘売すせりびめ
3沼河比売ぬなかわひめ
4多紀理毘売命たきりびめ
5神屋楯比売命かむやたてひめ
6鳥耳神とりみみのかみ
7日名照額田毘道男伊許知邇神ひなてるのかたびちおいこちにのかみ
8葦那陀迦神あしなだのかみ
9前玉比売さきたまひめ
10比那良志毘売ひならしびめ
11活玉前玉比売神いくたまさきたまひめのかみ
12青沼馬沼押比売あおぬうまぬおしひめ
13若尽女神わかつくしめのかみ
14遠津待根神とおつまちねのかみ

なんと古事記には14人の妻が記載されています!このうちスセリヒメとタキリビメはスサノオの娘なのです。

出雲風土記に見る大国主命の妻

番号御神名読み方
1和加須世理比売わかすせりひめ
2八野若日女命やのわかひめ
3綾門日女命あやとひめ
4真玉着玉之邑日女命またまつくたまむらひめ
5奴奈宜波比売命ぬなかわひめ

出雲風土記には5人の妻が記載されています。ワカスセリヒメとヌナカワヒメは古事記に登場する神様と同一とみなすと、出雲風土記にしか見えない妻は3人という事になります。

ちなみにワカスセリヒメとヤノワカヒメスサノオの娘と書かれています。

神在月には日本全国から神が集い、大国主命の元で図り事を行うのです。古事記の時代から数えても少なくとも1300年は続いているほど、神様からも人気の高い神様なのです。

ぜひあなたも出雲大社へお参りになって、大国主命とご縁を結んでみませんか!?

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