大石見神社|八上姫と大国主が駆け落ち!?古事記を覆す言い伝え
イチョウの葉がふかふかの絨毯になって、美しい色合いを見せる大石見神社(おおいわみじんじゃ)。ここには美しさだけでなく、古事記の伝承を覆す驚きのご由緒があるのです。
なんとオオクニヌシとヤガミヒメは駆け落ちをしていたのです!!
そ、それはスセリヒメとではないの!?それでは詳しく解説していきましょう。
大石見神社のご祭神
大国主命
八上姫命
御井命
沼河姫命
建御名方命
他十七柱
大石見神社のご由緒
大国主命は兄たち(八十神)に命を狙われていました。なぜか、それは兄たちが嫁にしたいと狙っていた八上姫は、大国主に夢中になってしまったから。。。
そして大国主は南部町の赤猪岩神社の地で命を落としました。この時はキサカヒメ・ウムカヒメのパワーで復活したのです。しかしその後、二度目の罠にはまってしまい命を落とした大国主。
切り倒した大木にくさびを打ち、大国主を割れ目に入れてくさびを抜き、挟んで殺害。。なんと手の込んだやり方。。。その後、母の力で復活させられた大国主は兄たちの追撃が途絶えるのを待つため、この大石見の地に八上姫と隠れ住んだのです!
大国主が兄の恨みを買ったシーンはこちらをご参照ください。
因幡の白兎神話では、大国主と八上姫は一晩結ばれた後、しばらく別れる事となります。兄たちに命を狙われた大国主はスサノオに助けを求め、スサノオの娘であるスセリヒメに恋をしてしまうのです。
その後、妊娠が発覚した八上姫は出雲に来るのですが、スセリヒメが正妻になっているのを知り、身を引くこととなるのですが・・・
大石見神社のご由緒は八上姫と一緒に逃げたということを伝えています。
この流れだと、スセリヒメに出会いようが無いのですが・・・
御井神社は八上姫が出産した場所と伝えていますので、去ってしまった大国主に逢いに来た事が前提です。しかし大石見神社で隠れ住んだとなると。。。大石見神社のご由緒はここで終わり。お二人のその後の足取りは分かりません。
大石見神社の御本殿
社殿は大社造り、千木は出雲系の男千木、御神紋は二重亀甲に三つ葉柏紋です。
方角は真南を向いています。
この三つ葉柏、スサノオ系の御神紋なんですよね。。。
そして、さらに意味深なのが本殿裏にある・・・
稲荷神社である証のキツネ穴!しかも2つも空いています!!
スサノオといえば稲荷神の父でもあります。
もしかしてここはもともとスサノオ系の神様を祀っていた神社なのではないでしょうか・・・
ちなみに神社のご由緒は「大国主命の御神霊を大和の三輪山から勧請した」とも「神社の創建年代は不明」ともありますので、もともとスサノオ系だった所に大国主を大和からお迎えしたという事でしょう。
山陰とは言え、中国道経由で大和にアクセスできる地ですから、大和系にルーツを持っていてもおかしくありません。
それにしてもキツネ穴が2つというのは初めて見ました。。なぜ。。。
さらにこれだけ稲荷さんが並んでいます。。
境内の大イチョウ
境内には樹齢約600年の「オハツキタイコイチョウ」(鳥取県指定天然記念物)があり、これは種子が葉の表面に組になって実るという、全国的に見ても珍しいものだそうです。
神社の境内をイチョウの葉が埋め尽くすというのは、何とも美しい光景です。御参拝は秋がオススメ!!
大石見神社へのアクセス
最寄りのJR上石見駅からは徒歩8分。
それほど本数が多くありませんので、マイカーかレンタカーでのご移動をお勧めします。
まとめ
古事記を覆す説を持った大石見神社。しかし丁寧に紐解いていくと、本来はスサノオを祀る神社だったのでは?という結論に至りました。でも悲しい運命を辿った八上姫が幸せに暮らしていたという事を想像すると、このご由緒が本当であって欲しいと願う心もあります。
美しさのあまり、男たちが寄ってきて、男を選ぶような発言をしたためにシングルマザーとなってしまった八上姫。そして、その最愛の子さえ手放す事になるなんて・・・古事記が真実なら悲しすぎる結末なのです。
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