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【真名井の清水】出雲大社の神聖な湧き水!神水と呼ばれる理由とは?

出雲大社の境内を少し外れると、観光客がほとんど来ない神聖なスポットがたくさんあります。その中でも島根の名水百選に選ばれた湧き水があるのです。

それが今回ご紹介する真名井の清水(まないのしみず)なのです!

ここは単なる湧き水ではありません。出雲大社の大事なお祀り事に使われる神聖なご神水なのです!

 

真名井の清水は何に使われる?

この出雲大社の湧き水とも呼べる、真名井の清水は出雲大社の祭事の中でも特に大事な古伝新嘗祭(こでんしんじょうさい)に使われるのです。

 

古伝新嘗祭とは!?

神在月の11月23日に行われる神事で、他の神社で言うところの新嘗祭(にいなめさい)です。一般的な新嘗祭は五穀豊穣に感謝し、その年に出来上がったお米をまずは神様にお供えします。そして次に人間が新米をいただくという流れですね。

出雲大社の新嘗祭はこのお米を備える儀式に加えて、歯固めの儀という謎の儀式があります。

これは真名井の清水から取り出した小石を使うのだそうです。この儀式が終わると、百番の舞という神舞が行われ、儀式は終了となります。

この一連の儀式は出雲国造(つまり宮司)の霊力を高め、健康長寿を祈願する意味があるのだそうです。なんだかこれは、天皇陛下が歴代の祖先神をその身に宿す、大嘗祭に似ているような・・・

 

 

真名井とは?

真名井というのは、出雲大社の真名井だけではなく、日本全国に存在します。なぜなら真名井とは湧き水に対する最大限の敬称なのです。

つまり、古代からその水源が絶えることなく、かつ清浄な状態であるということなのです。

湧き水は人間にとって大切な水源。飲み水としての用途はもちろんですが、田畑に引く農業用水としても、お酒を仕込む水としても。いい水が手に入れば命をつなぐだけでなく、素晴らしい食品や飲料品を作ることができますよね。

古代からそんなお国自慢は存在し、「おらがとこの水が最高!」という人たちがたくさんいたのでしょう。それが日本各所に「真名井」ができた理由なんです。

 

真名井にまつわる神話

スサノオとアマテラスの誓約(うけい)という神話があります。

姉であるアマテラスに挨拶するため高天原に上ったスサノオは、あまりにも登場の仕方が派手だった為に誤解を産んでしまいます。高天原を侵略に来たのではないかという疑いをもたれてしまうのです。

武装して弟を迎えたアマテラスでしたが、スサノオはその身の潔白を晴らそうと、ある儀式を提案します。お互いの持っていた大事な神宝を使って神を生み出そうというのです。

スサノオは剣を、アマテラスは玉を取り出し、お互いに交換します。それぞれの宝を天の真名井できれいに穢れを落とし、かみ砕きました。粉砕された粉をふっとひと吹きすると、剣からは麗しい三柱の女神が、玉からは五柱の男神が誕生しました。

清らかな女神を生み出したスサノオは、邪心がない事を証明したという事なのです。

このように真名井は、神聖な儀式を行う前にお清めとして使われています。

 

真名井の清水の御祭神

彌都波能賈神みづはのめのかみ)

この神様はいわゆる水神様なのですが、神々の親であるイザナミの尿から誕生した神様。火の神を産んだイザナミは大やけどを負って亡くなってしまいます。その亡くなる寸前にはたいそう苦しんだ様子で、嘔吐、失禁、など様々な苦しみを味わっておいでです。

ミズハノ女神はこのイザナミが最期に発した尿の神様。

稲作が命をつなぐ大事な手段だった古代、命を繋ぐためには水だけでなく、糞尿肥料も大事な役割を担っていたのでしょう。そういう意味から作物にとって大事な栄養を含んだ水を司るのがミズハノ女神なのです。

 

真名井の清水へのアクセス

出雲大社境内から徒歩4分程度です。出雲教駐車場に車を停めると2分程度で歩いて来れます。

 

真名井の清水の正面には車2台分の駐車場「真名井広場」があります。ここまでの道がすれ違えない程に狭いので、車の運転に自信のない方は出雲教駐車場に停めましょう。

出雲大社周辺の駐車場はこちらの記事をご参照ください。

 

 

まとめ

出雲大社の重要な神事「古伝新嘗祭」にとって、非常に大事な湧き水である真名井の清水。そこには出雲国造の延命長寿を司るミズハノ女神様がいらっしゃいました。

今でもこの真名井の清水は地元の人々に愛され、禊に来る人、ペットボトルに持ち帰る人など様々です。出雲大社にお越しの際には覗いてみてはいかがでしょうか?

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